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活躍する消費生活アドバイザー

キャリアカウンセラーとしての仕事先は、どのようにして開拓されましたか。

中島 まずアプローチしたのが、卒業後に就職する生徒が多い商業高校と定時制高校です。電話で概要を説明し、「電話応対のスキルが、どんなに役立つか」等の講座提案書を送りました。

 11校に書類を送り、2校で実際に講座を担当させていただくことができました。
 おかげさまで講師として働きはじめてからは、いろいろなところから講師募集の情報が入るようになり、営業活動に時間を使う必要がなくなりました。

講座では、おもにどのような内容を?

中島 高校生対象の場合は、進路ガイダンスのほか、電話応対やマナー全般を少しでも多く身につけて卒業してほしいと思い、そこにポイントを置いています。

 「若年者就職支援研修」では、ビジネスマナーを含む社会人基礎力全般に加え履歴書添削や面接指導です。この研修は各都道府県で開催されています。私がこれまで一番多くの時間を費やしてきた活動の一つです。

 ここでの対象は34歳までの新卒、既卒の未就職者、1クラスが約50名。午前9時〜午後5時まで、約半年間の研修です。
 講座の運営は私一人ではなく、産業カウンセラーやサブ講師とクラス担任等、数名が担当します。求人倍率が良くなった現在では、定着支援にも力を入れています。

 自ら社会への一歩を踏み出すことができずにいた若者たちにとって、スーツを着て、毎日定時に家を出るというのは私たちが想像する以上に辛いものです。そんな彼らが途中で諦めず、内定を決めて研修室を出ていく姿を見送るのは、私にとって何よりのやりがいとなっています。

「若年者就職支援研修等」のレジュメ

 最初は質問を投げかけても、なかなか答えが返ってこないことが多いので、「卒論のタイトルは?」といった答えやすい質問から研修生のバックグラウンドをひもといていき、深く聴いていきます。そうすることで、研修生自身がこれまで気づかなかったこと、忘れていたこと等が少しずつ言葉になって出てきます。

 「とにかく、具体的に動いてみよう」と、腰を上げるのを手助けするような感じですね。
 気を付けているのは、研修生たちの気持ちや言葉に視点を合わせることです。この点は、子育てをしてきた経験が役に立っています。

 無表情で、ひと言もしゃべらなかった研修生が前向きに行動しはじめたときや内定を得たとき、クラスがまとまり、全員が同じ目標に向かう雰囲気になったときは、ほんとうに嬉しいです。

 この仕事は、私のなかでは仕事という枠を越えていて、使命のようなものになっています。この研修を担当するために、いままでさまざまなことを経験してきたんだなと。

 どの研修生も、面接で落ちるとすごく落ち込みます。私は、「落ち込むことはないよ」「面接というのは、優劣ばかりでなくその会社との相性を見ています」と、伝えています。なにしろ、私自身も何度も就職活動をしてきましたから、体験に基づいて話しています。

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