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活躍する消費生活アドバイザー

2012年度ACAP理事長賞を受賞された論文に、「子どもたちに『消費者教育+キャリア教育=社会人基礎教育』を実施したい」と書かれました。

中島 はい。ACAP(公益社団法人消費者関連専門家会議)が「ACAP消費者問題に関する『わたしの提言』」を募集していることを知り、別々に実施されている消費者教育とキャリア教育の現状を少しでも変えたいと思い、夢中になって書きました。

 日本の社会や経済を支える子どもたちが「社会的・職業的に自立することを目標」としている点では消費者教育とキャリア教育は共通しています。
 既に行われている教育活動を両方の視点で捉えなおし、学校での学びと社会を結ぶことに焦点を当てた具体的な実習例を示すとともに、経済産業省が提唱した「社会人基礎力」習得に結びつけました。
 根本は「稼いで消費する自立した社会人」の育成です。人は生涯消費者であり続けます。段階を追って、社会人基礎力を一つひとつ身につけていくことが日本の現状に不可欠と考えました。

論文画像

 ACAPホームページより
 http://www.acap.or.jp/kyoiku/sakuhin/2012rijisyou-nakajimasama.pdf

 働くことの意味がなかなかつかめない若者がいる一方で、家族の生活を支えるために早い時期から働いている若者もいます。
 実は、昨年度から定時制高校の就職支援アドバイザーを担当しています。そこに通う働く若者たちのなかには、既に社会人基礎力が身についている生徒もいるんです。電話応対も、「仕事でやっているから大丈夫!」と自信をもって答える生徒もいるほどです。

 そういった若者達に出会うことができたのも、キャリアカウンセラーの仕事に就いたからこそ。就職支援アドバイザーとして、生徒達と求人票を見ながら盛り上がり、就職活動全般を支援し、早期内定率が県平均より約25%高いという嬉しい結果となりました。

 今後も学校の先生方と力を合わせ、一人でも多くの生徒達を支援していきたいです。

消費生活アドバイザー資格が役に立つことも?

中島 消費生活アドバイザー資格は、キャリアカウンセラーとしての業務全般に活かされています。
 取得したのは、お客様センター勤務の際に、「プロとして仕事がしたい」と思ったのがきっかけです。資格を取得したことで、各企業の動向や経済状況にも興味をもって接するようになりました。

 また、消費生活アドバイザーの視点から見た企業の現状や動き等を就職活動中の若者たちに伝えることができています。
 さらに、就職支援研修ではプレゼンテーション実習に商品のラベル等を使うこともあり、消費生活アドバイザーならではの視点で、ラベルの見方や商品説明をします。
 人前でしゃべることが苦手な若者も、自分が好きな飲料や食品等といった身近なものをテーマにすることで、積極的に発表ができます。
 研修生から、「情熱ってどうやって表現するのですか?」とよく聞かれますが、こうした実習を通して「情熱」を体感してもらっています。

 私は、子育てをしながら正社員、パート、契約社員、派遣社員とさまざまな働き方をしてきました。
 消費生活アドバイザーの資格は、就職活動をするたびに、また仕事に就いているときも、常に私を支えてくれました。
 たくさんの資格をもっている方にとっては、そのなかの一つかもしれませんが、当時の私にとっては唯一の資格でした。それも、出題範囲が広く、論文試験と面接もある消費生活アドバイザーの試験を突破したことは、仕事を続けるうえで大きな自信につながりました。当時書き上げた論文は、いまも大事にとってあります。

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