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活躍する消費生活アドバイザー

消費生活アドバイザー資格取得後、受験対策講座講師をされたきっかけは?

三原 資格取得後に、(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)に入会し、消費生活アドバイザー受験対策講座のスタッフをしたことから、講師の先輩アドバイザーに「講師にチャレンジしてみたら」と勧められ、産業能率大学総合研究所とNACS東日本支部の受験対策講座の講師を15年間務めました。
 このなかで、NHKのEテレの「資格はばたく」という番組で消費生活アドバイザーが取り上げられた際に、講師としてインタビューを受けるという得難い体験もしました。

 おもな担当科目は、生活経済、経済統計、金融の知識、論文対策(生活経済、行政知識)です。
 毎年、新聞の切り抜きをして、法律改正や時事的な出来事を調べ、最新の情報を受講者に伝えることを心がけました。消費生活アドバイザーの論文試験は、その年のトレンドキーワードを使って論文を書くことが要求されます。ある年の受験対策講座で、生活経済ではワークライフバランス、行政知識では消費者市民社会というキーワードを使った論文の課題を作ったところ、ほぼ同じテーマの論文が本番の論文試験で出題され、受講生に感謝されました。

 講師を始めた2000年代前半は、受講生は女性がほとんどでしたが、試験科目の衣食住の比重が減少したことや2009年の消費者庁が発足したことが影響したのか、2010年代から男性の受講生が非常に多くなり、その傾向が現在も続いているようです。

社会人大学院で学ばれ、論文執筆もされているんですね。

三原 そうですね。受験対策講座の受講生で消費生活アドバイザー資格を取得された方々と今も交流が続いており、たくさんのご縁がつながりました。受講生からも刺激を受けましたが、先輩の講師の方々が大学院で学ばれている姿に触発され、社会人大学院に入学して、政策学の修士を修めました。受験対策講座の講師をしていなければ、社会人大学院に入学することはなかったです。

 大学院のゼミで指導いただいた故樋口一清先生に勧められ、修士論文を短くまとめた形で日本消費者政策学会の電子ジャーナルに発表したところ、ジャーナルを見た金融関係の団体から依頼を受けて、ここ数年は季刊誌等に論文や意見を寄稿しています。そのなかで「若者のお金に関するトラブルの現状と消費者教育・金融経済教育の課題」という論文が、経済系の週刊誌に、シンクタンク厳選リポートとして紹介されるという嬉しいサプライズもありました。
 NACS金融委員会のメンバーとして、金融の業界新聞に記事を書く機会にも恵まれ、社会人大学院で四苦八苦しながら修士論文を仕上げたことが少しは生きているのかなと思います。

鎌倉女子大学非常勤講師でもいらっしゃいます。

三原 2023年から鎌倉女子大学の非常勤講師として、消費生活論、消費者問題論、消費者問題演習の3コマを担当しています。
 学生自らが自立した消費者になることも重要ですが、教員を目指す学生もいますので、消費者トラブルの事例検討やマネープランゲームの体験に加え、学生自身が学校で授業をすると仮定して学習指導案を考えることを通じて、社会人となった後にも、家族や友人等の周囲の人達に消費者啓発ができる人材になることを目標にしています。

J-FLEC認定アドバイザーとしても活動されています。

 日本証券業協会の金融・証券インストラクターとして活動していたことから、昨年発足したJ-FLEC(金融経済教育推進機構)においても認定アドバイザーとなりました。J-FLECに金融経済に関する講座を依頼された学校や自治体等に、講師として派遣されて講座でお話ししています。
 2024年から新NISAが始まり、投資の一歩を踏み出す人が増加していますが、SNSで知り合った人からの勧誘で、詐欺が疑われる無登録業者と取引し、多額の被害を受けるというSNS型投資詐欺やSNS型ロマンス詐欺の被害が急増しています。免許登録のある金融機関で投資をするという基本的な知識がなく、SNSでのやりとりだけで「儲かる」という話に安易に応じて、お金をだまし取られる被害がなくなるように、J-FLEC認定アドバイザーとして尽力していきたいです。

ゴスペルがご趣味とのことですが。

 4年前から、ゴスペル講座に通っています。
 講座のメンバーで結成した「市川Vosky Of Soul」というグループで、千葉、横浜、埼玉のゴスペル祭、ショッピング施設の音楽フェス、クリスマスコンサート等で歌っています。高齢者施設への訪問もしており、昨年、私も初めて参加しました。
 昨年10月には、団体として10周年記念の初の単独記念コンサートを行いました。5年後の15周年記念コンサートを目指し、歌いつづけていきたいです。

(取材:2025年1月21日)
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