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活躍する消費生活アドバイザー

社外の研究会にも企業として参加されていますね。

古谷 はい。社内外への情報共有、消費者啓発の一環として、2018年から特定適格消費者団体である特定非営利活動法人 消費者支援機構関西(KC's:ケーシーズ)が主催する「消費者と事業者の双方向コミュニケーション研究会」にも継続的に参加しています。ここに参加されている消費者、事業者、有識者の方々との意見交換から得たさまざまな情報を、日々のお客様センター業務と照らし合わせて社会情勢や消費動向を社内に伝え、業務改善に活かすように努力しています。
 この研究会では、対面で消費者と事業者との双方向のコミュニケーションを行う「実践の場」も提供していただいています。高齢者、子育て主婦層、大学生、視覚障がい者といった消費者の方々と語り合うことにより、さまざまな発見や気づきがあります。
 特に印象に残っているのは、子育て主婦層の方が「袋の中から異物が出てきても、面倒だから、メーカーに連絡しない。今後、もうこのメーカーの商品を買わなくなるだけ」と真っ先に口にされたことです。まったく想定していなかった発言でした。「消費者は、購入した商品に不具合があれば連絡をしてくる」と思い込んでいたことに気づかされました。
 この実践の場は、湖池屋という企業についてお伝えでき、湖池屋ファンになっていただける機会であるとともに、得られる気づきが業務改善の原動力にもなっています。

では、消費生活アドバイザー資格について。資格を取得されたきっかけは?

古谷 一つは、上長から「お客様センターが消費者志向経営を推進する部門となり、消費者志向経営自主宣言をするために消費生活アドバイザー資格者が必要になる」と聞いたことでした。
 また、KC'sの研究会などでお会いする他企業の消費者対応部門の方と名刺交換すると、多くの方が消費生活アドバイザー資格をもたれていました。
 資格の必要性を強く感じ、取得しようと思いました。

取得前と後とで、お仕事に対する意識や行動で変わったことがありましたら。

古谷 資格取得前は、「自分自身やお客様センター部門の向上に資格を役立てたい」と考えていました。取得してからは、「仕事だけでなく、世の中の役に立てるように活かしたい」と考えるようになりました。
 それから、同僚に資格取得を勧めるようになりました。昨年、同僚の一人が消費生活アドバイザー試験に合格し、社内の資格者が、私を含め2名となりました。日本産業協会が認定するお客様対応専門員(CAP)を取得した同僚も、1名います。

NACSでも幅広く活動されているようですね。

古谷 実は私は、受験の1年目は第2次試験の小論文が書けず、2年目で合格することができました。2年間の勉強で得た知識を維持、ブラッシュアップしたいとの思いから、さまざまな公開講座や自主研究会がある(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)に入会しようと考えました。
 合格時は、東京の本社お客様センター勤務でしたのでNACS東日本支部に入会しました。その後、東京から関西に戻ったため、西日本支部に転入しました。こちらでは公開講座への参加や、基礎学習分科会と西日本支部のCS(顧客満足)研究会に所属しています。
 また、西日本支部長から「支部の運営に携わってほしい」とお声をかけていただき、支部運営組織の一つである会員活動委員会に所属することになりました。運営委員としての活動が世の中の役に立てると思ったのです。
 西日本支部の運営委員会は、毎月第1水曜日の18時30分から大阪市内で開催され、会員活動委員会の委員として毎月参加しています。任期は2年間で、2期目からは委員長として活動しており、現在3期目となります。

 会員活動委員会では、西日本支部の機関紙である「ハーモニー」の編集を行っています。毎月1日に発行し、西日本支部会員の皆様にお届けしています。
 このほか、西日本支部には自主研究会が11あるのですが、その活動支援を行っています。具体的には、年に2回(5月、2月)に自主研究会代表者会議を開催し、自主研究会の運営についての連絡や意見交換を行っています。さらに、自主研究会にとって最大のイベントである発表大会を毎年2月に開催しており、その運営も行っています。
 論文通信添削講座の論題、解説文の作成と添削講師も行っていまして、今年で4年目になります。私自身が論文作成に苦労した経験がありますので、1人でも多くの方の合格に役立ちたいと思っています。

 また、NACS本部においても、企業等の消費者志向に関する情報収集・発信等を行う消費者志向推進委員会の副委員長を務めています。NACSは消費者庁の消費者志向経営推進組織のメンバーになっていますので、その対応にあたる活動ですね。消費者志向NACS会議の開催や、2004年に公表した消費者志向マネジメントシステム(COMS)の改訂作業も行っています。

 NACSの活動は、おもに休日を利用して行っています。平日の場合は、仕事が終わってから夜間に活動しています。
 プライベートの時間の半分以上をNACSの活動に費やしている感じです。

今後、行いたい活動などは?

古谷 お客様センターの業務では、KC'sで行っている実践の場のような、消費者と事業者との双方向コミュニケーションができる機会を増やしたいです。
 プライベートでは、地域の自治会で、住民の方々に公民館などで「消費者問題等の講習会ができたら」と考えています。

(取材:2024年9月11日)
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