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活躍する消費生活アドバイザー

古谷 信二さん

消費者と事業者が双方向コミュニケーションできる機会を増やしていきたいです

古谷 信二さん(消費生活アドバイザー39期)
株式会社 湖池屋 お客様センター 西日本担当

洋菓子メーカーを経て、2001年に(株)湖池屋 名古屋営業所に入社し、北陸、東北、本社広域、大阪支店にて勤務。2013年に京都工場、2015年にお客様センターに配属される。2019年に大阪支店勤務のお客様センター西日本担当となり、現在に至る。2022年よりNACS西日本支部会員活動委員会 委員長、NACS消費者志向推進委員会 副委員長。
趣味は大型バイクでのツーリング。最近はランニングにもハマり、10qを週3回のペースで走っている。好きな自社製品は「ポリンキーあっさりコーン」。

湖池屋について、簡単にご説明願います。もちろん、ポテトチップスはよく知っています。

古谷 (株)湖池屋は、1953(昭和28)年創業、1958年に設立された総合スナック菓子メーカーで、東京都板橋区と渋谷区の2カ所に本社があります。売上高は548億円、スナック市場ではシェア第2位です。
 「湖池屋」という社名は、創業者・小池和夫の出身地が諏訪湖のある長野県諏訪市であり、「諏訪湖のように会社も大きく成長させたい」との願いを込めて、小池の「小」を「湖」に変え、「湖池屋」としたことに由来します。
 かりんとうやおつまみの販売からスタートして、1962年にはポテトチップスの製造を開始し「のり塩」を発売、1967年に日本で初めてポテトチップスの量産化に成功しました。1985年に「カラムーチョ」が空前の大ヒットとなり、その後も、話題を呼ぶテレビCMの効果もあり、ヒット商品がたくさん誕生しました。スナック菓子ばかりではなく、1997年には清涼菓子の「ピンキー」を発売し、大ヒットしました。
 現在は、「プライドポテト」を代表とする高付加価値商品が、多くのお客様のご支持をいただいています。

お客様センター 西日本担当とのことですが、どのような職務なのでしょうか。

古谷 弊社のお客様センターは東京都板橋区の本社内にあり、電話、メール、そして郵送物によってお客様からのご質問やご意見を受け取る窓口となっています。
 私は、西日本担当として大阪におりますが、本社お客様センターのバックオフィス業務を行っています。おもな業務は社内外への情報提供と受付業務のフォローです。また、西日本エリアでご指摘(苦情、クレーム等)対応の要請があった場合は、その業務にあたっています。

 社内への情報提供としては、お客様センターに寄せられるお客様の声(VOC)の集計管理、分析を行い、マーケティング部をはじめ他部門に提供しています。
 また、お客様の声を全従業員に伝えるため、社内のイントラネットへの掲載や、「お客様センター通信」というメールマガジンを経営層を含む従業員に直接、毎月配信しています。このメルマガは、デジタルサイネージ版も作成し、各工場の製造現場の従業員へもお客様の声が届くようにしているんですよ。
 ご指摘対応を行ったお客様を対象とした満足度調査アンケートを基にした管理業務も行っていまして、アンケート結果を部内にフィードバックして業務改善に活かしています。お客様の声で特に多いものについては、お客様センター長が関係部署に発信し、改善する方法を検討します。
 そうした改善例をホームページ「お客様の声をいかしました」に掲載しています。

【お客様の声による改善例】

スリムバックシリーズの商品パッケージの裏面についているベルマークの位置を上部に変更しました。

 スリムバックシリーズの商品パッケージの裏面についているベルマークの位置を上部に変更しました。

 これまでベルマークを商品パッケージ裏面の下部に印刷しておりましたが、スリムバックではハサミの切り取り線の近くにあるベルマークを誤って切ってしまうことがあり、上部に変更いたしました。
〈2023年7月〉


スリムバッグスティックポテトのり塩


 一方、社外への情報提供としては、湖池屋ホームページにあるお客様センターのサイトの管理を行っています。
 年々、メールでの問合せが増加していまして、お客様自身がスマートフォンなどを用いて検索し、問題を解決される傾向が強くなっています。そこで、お客様が商品などでご不安やお気づきになられたことを、ご自身で解決できるようにFAQに力を入れてます。
 FAQは、お客様から寄せられる声や社会情勢の変化に合わせて、新規項目を作成したり既存項目を随時更新したりしています。ここではサイトの充実もさることながら、お客様がスマートフォンなどでスナック菓子について検索し閲覧する際に、弊社のFAQ項目が上位に表示されるようにキーワードを工夫しています。

お客様からのお問合せは、どのような内容が多いのでしょうか。

古谷 傾向としては、販売店、商品パッケージの表示関連、原材料のお問合せが多いです。
 とりわけ主力商品である国内製造のポテトチップスは、原料に国内産のじゃがいもを100%使用するため、その年の気候や収穫状況によって、原料に起因するご指摘を多くいただくことがあります。特に今年は、昨年の酷暑の影響を受け、保管しているじゃがいもの品質が安定せず、残念ながらお問合せ件数は増加しました。

不具合の情報が寄せられた場合は、どのように対応されるのでしょうか。

古谷 お客様のお手元にある不具合品を着払いにてお送りいただくか、弊社から返信用封筒をお客様に送付して返送を依頼、もしくは宅配便業者による引取りをしています。
 到着した不具合品は製造工場品質保証室にて調査し、お客様に調査結果を記した書面と代替品を郵送します。
 不具合が広がりそうな場合や、身体に影響があるご指摘は、直ちに当該品の製造ロットを確認したうえで、製造工場に連絡し調査を依頼します。その結果に基づき、商品回収等の対応を行います。

お客様センターの業務について、どのようにお考えになっていますか。

古谷 お客様センターの業務は、ご指摘やお問合せの対応にスポットが当てられますが、それだけではないと考えています。
 日々、直接お客様とコミュニケーションをとることができ、お客様との信頼関係を構築することができる部署です。湖池屋という企業や商品について、「いかに、お客様により多くの情報をお伝えできるか」「いかに、社内にお客様の声を届け、従業員がお客様(消費者)目線で業務に励むことができるか」を常に考えています。
 お客様センターは「湖池屋という企業ブランドの価値を上げる部門」と考え、業務に取り組んでいます。

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