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活躍する消費生活アドバイザー

製品やサービスは常に変化します。どのようにキャッチアップされているのでしょうか。

和田 家電は日進月歩で新しいものが出ますし、機能も変わります。ただ、ありがたいことにいろいろなメーカーさんとお付き合いがあり、新しいものが出るとプレスリリースを送ってくださるんですね。製品の説明会にもうかがい、情報をキャッチしています。

 また消費生活アドバイザーにも更新の研修がありますけれど、私のもっている資格は更新試験があるものが多く、定期的に勉強しなければなりません。基本的な社会変化や制度は、そこでキャッチすることができます。
 マネー情報は、雑誌の仕事で掲載誌が毎月届くので、いやでも目に入ります。私が原稿依頼される特集記事は、だいたい節約とマネーがテーマですので、自然と情報が入ってきます。

転機となった活動がありましたら。

和田 2005年に京都議定書が発効され、日本は2008〜2012年の間に温室効果ガス排出量を1990年に比べて6%削減することが義務づけられました。この目標を実現するため、国が主導して「チーム・マイナス6%」というプロジェクトを立ち上げた時にお声をかけていただき、情報発信やイベントのお手伝いなどに携わらせていただきました。
 そこが、私の活動にとっても、大きな転機だったと思います。

 現在、節約と環境分野がリンクしていることは広く理解されていますが、かつては違っていました。それが、イチロー選手をはじめとした有名人が「できるだけムダなエネルギーを使わないようにしましょう」「節約しましょう」と呼びかけることで、電気代を節約することは「我慢する」「ケチケチする」のではなくて、「炭素削減になる」「環境に優しい」ことへと変わりました。みんなの節約に対する意識が変わる大きなきっかけになったと思います。

3R(スリーアール)推進マイスターでもありますね。

和田 はい。2006年に容器包装リサイクル法の改正があり、国がプラスチック分別のPRをしていく際に、環境省の方から「ごみの減量は、節約と結びつくのでは」と、お話がありました。ごみの減量は、余計なものを買わないようにすることから始まりますから、省エネ以上に節約と直結しています。
 それで、3Rに関連するイベントのお手伝いをしまして、2007年に環境省から第1期国推薦の3R推進マイスターを委嘱されました。

それでは、消費生活アドバイザー資格について。取得のきっかけは?

和田 もともとは、節約に関連する環境の資格を取得しつつ、お金に関するファイナンシャルプランナー資格も取ろうと思い、テキストを買いました。でも勉強していて、私がやりたいことは「いかにしてお金を増やすか」と計画を立てることではなく、日常生活でどのようにしたらムダを減らせるかをアドバイスすることだと気づきました。

 そこで、衣食住、生活全般を含む資格を探し、消費生活アドバイザーを見つけました。実際にテキストを読み進めていくと、生活に密着した事柄が広く浅く書かれ、法令も暮らしに身近な内容です。
 私の仕事に関係のある分野全体を網羅する勉強ができそうだったので、「これは絶対に取らないといけない!」と思ったんです。

「生活知識」が取得の決め手となったのは、和田さんならでは、かと。

和田 洗濯や繊維についてや食中毒の基礎知識など、資格の勉強が日常生活に役立ち、一石二鳥です。
 メディアに登場する方にはおそうじや洗濯、家事全般のアドバイザーをされている人が、たくさんいらっしゃいます。皆さん、この資格があると、よりステップアップできると思います。

 私は、消費生活アドバイザーとしてイベントや講演会でお話をさせていただいたり、ワークショップを開催することもあります。
 消費生活センターからは、詐欺防止の講演会に「ちょっとおトクな話も聞けますよ」と節約情報をプラスする講演依頼が多いです。
 製品事故防止を啓蒙するようなイベントであれば、家電製品の節約節電の話を盛り込んだりしています。

テレビ出演やメディアへの寄稿などは、自分で管理されているのですか。

和田 全部自分で管理しています。20年ほど続けていますので慣れています。
 子育てしながら資格試験の勉強をしていた頃は、本当に忙しかったです。今は、子どもも大きくなり、仕事のことだけを考えていればいいので大変ではありません。

健康管理で気をつけていることは?

和田 ヨガが大好きで、テレビのロケが1日じゅう入っていたり、地方出張の時以外は、ほぼ毎日スタジオに通っています。仕事の合間をぬって、朝早く行ったり、夜寝る前に行ったりしています。
 ヨガは8年くらい前、運動不足解消とダイエットを目的に始め、難しいポーズができるようになってきて、はまりました。上級クラスで「昨日できなかったポーズが、今日できる」といったことを日々楽しんでいます。
 体を動かすことは、意識して行うようにしています。

今後、実現したいことなどは?

和田 生活を豊かにするような節約のお手伝いをしていきたいです。
 今は、節約に対するマイナスイメージがなくなってきましたね。以前は、主婦の方向けの雑誌に「1円でも安く!」といった内容がたくさん書かれていましたが、最近は、断捨離して物が少なく、ミニマムな生活をしてきれいに住まうといった内容が多くなりました。とてもよい傾向と思っています。
 現在、物価が上昇して節約を意識する方が増えているように思いますけれど、生活が楽しく、豊かになっていくことがイメージできるような節約情報をどんどん発信していきたいと思っています。

(取材:2024年7月3日)
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