受講の反応はいかがでしょうか。
木村 講座終了後にアンケートを取らせていただいていますが、一番多いのが、「もっと聞きたい」ということなんですね。学生さんからも、「いろいろなところで、もっと講座を実施すべきだ」「親にも伝えたい」。そんな回答が多くあります。
先生方も、最初はこうした金融経済教育がほんとうに必要かわからずに実施をしてくださったのですけれども、いまはほとんどの学校で定期開催のご依頼をいただいています。
受講された、さまざまな年代のたくさんの方が、聞いていただいたあとに行動に移してくださっています。と言いますのも、さまざまな被害防止ができる「撃退ツール」を会場で配布していまして、これによって行動したかどうか、うかがうことができます。
私が11年かけてつくったツールなのですけれども。
はじめは、一人暮らしの高齢者の方から、「振り込め詐欺などの予防がしたい」との声があって作ってみました。その後、文言を変えて試行錯誤しながら、いろいろなところで配布して反応をうかがっています。以前講座に参加した方に別の講座で数年後にお会いすると、「あれはよかった。地域でも配布したい」という声をたくさんいただいたりします。
こうしたツールも使い、多くの方の行動が見える講座にするように努めています。
ところで、消費生活アドバイザー資格を受験されたきっかけは?
木村 もう21年前になりますが、勤務していた化粧品メーカーで消費生活アドバイザー資格取得のため、日本産業協会主催の通信教育についての補助制度がありました。それに申し込み、職場から通信講座の教材をいただいて勉強する機会を得ました。
当時、かなり忙しく働いていましたので、夜遅くしか勉強時間が取れず、たいへんでした。テキストの法律分野などは比較的面白く読ませていただきましたが、衣食住は苦手な分野だったかもしれません。衣類の繊維など、なかなか頭に入ってこないところがありまして。
PL法が制定される頃で、生活に直結した情報がたくさん得られ、面白く勉強させていただきました。
消費生活アドバイザー資格は、消費者の方だけではなく、社内や関連企業と接するときにも、自分の仕事がどのような法律にかかわっているかがわかり、そこに配慮して仕事ができるようになりました。
その後、営業企画職などを担当したときも、消費者にアピールする際にはどんなことに気をつけなければならないかなど、広い分野にわたり勉強させていただいたので、有効に活用できたと思っています。
これから受験される方へのメッセージを。
木村 消費生活アドバイザー資格は、広い分野を勉強する必要がありますけれども、逆に考えると、机上理論だけではなくて、日常生活で実践できたり、職場での問題の掘り下げなど、いろいろなことに広く活用できる資格かと思います。
資格取得はゴールではなくてスタートですので、そこから自分にとって有意義な情報を集めていくことで、もっと世界が広がると思います。
(取材:2015年11月28日)
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