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活躍する消費生活アドバイザー

資格を取得されたきっかけは?

岩本 寝具売場の担当となり、タオル等のご進物用品を扱うことが増えてから、お客様からご相談を受けることが多くなりました。そこで、自分なりにのし紙や水引といった掛け紙の勉強をしていましたら、社内の包装等についての接客研修で講師をすることになりました。
 そのとき、他の百貨店、大型スーパー等のお客様担当窓口や顧客サービスを調べていたところ、百貨店、スーパーに限らず、多くの企業のお客様相談窓口の担当者が消費生活アドバイザー資格を取得していることを知り、「どういうものかな」と興味をもったのがスタートでした。
 2012年秋に受験して合格、翌年4月から消費生活アドバイザー資格を活用しています。

 勉強は通信講座と過去問題の反復練習を中心に行いました。過去の問題をたくさん解いているうちに、自分の弱いところがわかってくるんですね。私の場合は、過去問題を解くことで特定商取引法についての知識が少ないことに気づき、そこを集中的に勉強しました。
 また新しい事例を知るため、消費者庁や国民生活センターのホームページをよく見ました。『消費者白書』『消費生活年報』にも目を通し、いろいろな情報を得る必要があると思います。

 第2次試験の論文、面接では、自分の体験が何かあれば、エピソードとして書いたり話したりすることが非常に有効かと思います。私は、論文では布団の訪問販売について書きました。自分では、それが合格につながったと思っています。

 しかしこの資格は、むしろ取得後の勉強のほうが大事かなと。
 私が担当しているキッチン用品ではIHクッキングヒーターでの火災例などが国民生活センターのホームページに掲載されています。
 資格取得だけで満足していますと、知識がどんどん陳腐化していきます。お客様に負けないように、こちらも勉強していかなければと思っています。
 社外の方たちといろいろ刺激し合いながら勉強する必要性も感じまして、今年からNACS(公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)に入会しました。

資格取得の勉強を通して、ためになったことがありましたら。

岩本 販売員や商品の製造メーカーでは当たり前の知識であっても、一般の消費者であるお客様が知らないことがたくさんあります。商品についての説明が足りないために、苦情になってしまうこともあります。

 たとえば、新品のタオル製品は、洗濯に柔軟剤を使うと糸の吸水性が悪くなったり、糸が抜けやすくなります。これは製造メーカーや販売している者からすれば常識ですが、お客様にはあまり知られていません。多くの消費者の方にはタオルを柔らかくするには柔軟剤を使うというイメージがあり、「買ったばかりの商品がすぐにダメになった」という苦情をいただくことがあります。
 販売する側は知っていたのですけれども、それが当たり前だと思い、お伝えしなかったために苦情になってしまったわけです。

 また介護ベッドをお使いになる方のなかには、ベッドから転落してケガをされる方もいらっしゃいます。そうならないように商品を選ぶところでアドバイスが必要になりますね。それを行うのがスリープアドバイザーの役割ですが、同様のことは消費生活アドバイザーにもいえるでしょう。
 そういったメーカー企業と一般消費者の情報の差を埋めることが販売員の役割であると、この資格の取得を通して学ぶことができました。

 小売業やサービス業などで、直接消費者と接する機会が多い方は、この資格の勉強を通して、仕事の幅や奥行きが広がっていきます。私自身、消費生活アドバイザー資格を取得してから、ものの見方が少し変わってきたように思います。
 もちろん、これは小売業だけに限りません。メーカー、金融業など、いろいろな業種で役に立つと思います。消費者の生活がよりよいものになっていくように一緒に活動していきましょう。

(取材日:2015年11月17日)
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