消費生活専門相談員資格を取得し、その翌年に消費生活アドバイザー資格を取得されたんですね。
遠藤 はい、そうです。
今年、新人2名も新たに相談員の資格を取得しましたので、当センターの相談員は全員有資格者です。
私は、2つの資格の違いを知り、両方必要だと考えていました。消費生活アドバイザーは、私も含め2名です。
2つの資格の違いは、私の経験では、消費生活専門相談員試験は法律分野のより深い知識が求められ、それを相談業務に落とし込んでいき、問題解決につなげていきます。
消費生活アドバイザーのほうは、企業経営や経済分野がありますので、行政にはない経営という視点が求められるところかと思います。
消費生活アドバイザー資格によって、こうした分野に目を向け、知識を得ることができたのも、とてもよかったと思っています。
経営やマーケティングの視点は、行政組織の運営や催しのアイディアを出したりするときにも役に立っています。
一方、共通点もありまして、どちらも、バランス感覚が求められている資格だと思います。
お忙しいなか、どのように勉強されたのでしょうか。
遠藤 朝型なので、夜早く寝て、朝5時に起き、出勤前の時間を勉強時間に充てました。休日は家事をサッサと済ませ、集中して勉強できるように時間管理しました。
時間管理を上手にすることで自分のなかで達成感が味わえ、さらにそれが勉強のモチベーションにつながるというプラスの循環ができました。
資格と時間管理術の2つを手に入れたことは、人生のターニングポイントになっているかもしれません。
教材は産業能率大学の通信講座を利用し、過去問題を繰り返し勉強しました。サブノートも作りましたよ。
過去問で間違えた個所が自分の弱点ととらえ、その分野の情報を重点的にまとめました。
論文では一度失敗していますので、2度めでは新聞の論説やビジネス雑誌を読みあさり、書ける題材を増やしていきました。
NACS東北支部が開催した2次試験対策講座も、よかったと思います。
一人で勉強していると、情報不足から必要のないところまで追い求めがちになりますが、そこを軌道修正することができましたし、面接の際の受け答えでは、バランス感覚が重要なポイントだと教えていただきました。
NACSでも積極的に活動されています。
遠藤 郡山市消費生活センターは、毎年1回「みんなの生活展」というイベントを実施しています。そこにNACSにも参加いただきました。このイベントは、消費生活に関係する各団体に参加していただき、実生活に役立つ情報を提供したり、実演コーナーで楽しんでいただいたりするものです。
今年も、会場に1,200人くらいお見えになり、大盛況でした。
NACSの会員でもあることで、その橋渡し役ができたかなと思っています。
消費者団体や地域の方、それから行政との橋渡しをするコーディネーターといったところでしょうか。この役割はこれからも続けていきたいと思っています。
NACSには、他団体が実施しているものも含めて、いろいろな研修や講演会の情報が入ります。とてもためになりますので、できるだけ参加するようにしています。
相談業務にあたるのに、研修での勉強は不可欠です。
研修やイベントは主に仙台で行われるため、高速バスで片道約2時間かけて出かけていきます。自費ですが、相談業務に活かせることで市民のために役立っていますし、自分のためにもなりますので、自己投資だと思っています。
これから受験される方へのメッセージを。
遠藤 消費生活アドバイザー資格を取得する勉強によって、さまざまな知識や情報を身につけることができ、仕事だけでなく私生活にも役に立っています。
買い物をする際に、商品を選択する自分の中の基準が変わりました。よりよい商品を選びたいですし、自分にとってだけでなく、社会にとってという視点が加わりました。講座では、買い物は社会に対する投票ですと伝えています。
こうした知識や情報は、生きる力そのものになるかと思いますので、取得をお勧めしたいです。
(取材:2014年12月6日)
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