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資格活用への取組み

●資格取得学習の活用例

広告表示審査部門
 お客様から「この表示は、法令上、問題ではないのか?」といった問合せが寄せられた際などに、論点を整理して合理的な判断を出しやすくなった。
 商品の広告だけではなく、サイト上のサービスなどの表記のチェック業務においても、消費者契約法、特商法などの知識があることにより、チェックの品質を向上させることができている。
 法律問題かそうでないかの切り分け例には、次のようなものがある。

  • ・法律でおとり広告が禁止されているが、人気商品は広告を出すやいなや瞬時になくなってしまうことがあり、お客様から「おとり広告ではないか」とご指摘を受けることがある。そうした時に法令上問題があったか、お客様対応としてはどうすべきかの両面から考えてお客様相談室の消費生活アドバイザー資格者とも連携し、お叱りで終わらせずに社内でしっかりと対策をとった。
  • ・アスクルではカタログを年1回発行しているが、1年間同じ価格で提供するのは難しく、変更になることがある。「変更になることがあります」と明記したうえでの価格変更自体は認められていることから、「そこは法律の問題にならない」と切り分けをして明確に説明できる。
  • ・荷姿(配送する際の外観)やセット個数などが、法令で定められていると思っていたが、勉強し知識をつけてみると、そうでないことがわかった。

お客様対応部門(お客様相談室)
 資格取得後、「企業とお客様の情報量等のパワーバランス」「自分も一消費者(≒自分が当事者だったらどう感じるか)」を常に意識して対応するようになった。
 名刺をご覧になったお客様から「消費生活アドバイザーの資格をもっていらっしゃるのですね」とお声がけいただいたこともある。資格をご存知のお客様には消費者の立場も理解してくれるという安心感を抱いていただけたのではないか。
 消費者と企業という関係に行政を加えて考える意識が強くなった。
 日々の新聞記事やニュースなどでも消費者関連の話題に対し、感度が高くなっていると感じている。

法務部門
 インターネット通販・カタログ通販という領域において、対消費者、対エンドユーザーという観点から問題になる制度や法律に加えて、消費者問題の歴史や行政の対応・整備なども含め、網羅的・体系的に広く学習できたことで、自信を持って法務対応できる領域がふえるなど、法務業務の質も向上した。

コーポレート部門(サステナビリティ)
 「消費者志向経営」と「サステナビリティ経営」との親和性は高く、また幅広い法令や業界に関する知識などは、業法を含むコンプライアンス業務などにも活かせられると思っている。

《全体を通して》
 社内の合格者から多く聞かれるのは、アスクルのどの部門・どの業務においても有益で、お客様対応や業務遂行にあたっての裏付けのある自信や真摯な姿勢につながるものと感じているということである。
 事務局としては、今後、マーチャンダイジング部門や商品情報管理部門、調達部門など、多くの部門において挑戦する社員が出てくることを期待している。

(取材:2024年5月15日 部署名や役職名などは、取材当時のものです)

< 終 >


集合写真

オフィス入口のアスクル坊やの前で。
写真左から沼本さん、板東さん、横田統括部長、田村さん、藤原さん、中川さん


お話いただいた皆さま

●横田道生 さん(消費生活専門相談員)
セキュリティ・広告表示審査統括部長
お客様対応を考える際に、公的機関の担当者と同じ知見をもちたいと考えて資格取得。消費者、行政、事業者という枠組みを前提に事業を考えることができるようになりました。

●沼本勝哉 さん
広告表示審査〈知的財産兼務〉
消費生活アドバイザーは勉強時間の確保が必要な資格と認識していまして、チャレンジされている方を陰ながら応援しています。

●田村留加 さん(消費生活アドバイザー40期)
広告表示審査
上長に勧められて取得しました。学習を通じて法令などの知識を習得でき、自分の中の引き出しが増えて業務を遂行しやすくなりました。消費生活アドバイザー資格取得支援を担当して3年目です。

●板東可子(たかこ) さん(消費生活アドバイザー44期)
広告表示審査〈知的財産兼務〉
会社で取得推進をしており、興味があったので取得にチャレンジしました。業務で使う景表法以外にも様々な知識を取得することができました。

●中川正彦 さん(消費生活アドバイザー23期)
広告表示審査
プライベートブランド商品開発における品質確保の業務に携わっていた時に取得しました。消費者、行政、事業者の3つの立場で俯瞰して物事を見る習慣が身につきました。

●藤原美里 さん
広告表示審査〈知的財産兼務〉
この仕事に携わってから2年になりますが、消費生活アドバイザー資格を取得したくて勉強中です。消費者の権利を保護する法律ができるまでに様々な歴史があったことを興味深く学習しています。


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