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資格活用への取組み

■消費生活アドバイザー資格取得について

●取得推進の事務局も
 アスクルでは、2021年に消費者志向自主宣言を行った際に、消費者志向経営を実践できる社員の育成を目的として、全社での消費生活アドバイザー資格取得の支援を開始、今年で3年目となる。「従業員の積極的活動」につながるとの観点からだった。広告表示審査部門は、その事務局も兼ねることになった。
 「以前から消費生活アドバイザー資格の学習内容が非常に優れていて、この学習を通じて業務に必要な知識が得られるとして部門内で推奨していました」と横田統括部長。
 「当社としては、結果として資格取得できるとよいと思っていますが、まずは学習して幅広い知識を得てもらうということに重点を置いています」

●支援内容
 消費生活アドバイザー資格の取得のため、費用面および情報提供を行っている。
 支援している費用には、テキストや問題集などの書籍代、外部講座の受講料、さらに受験料、初回登録料も含まれる。その手厚さから、消費生活アドバイザー資格への関心の高さがうかがわれる。
 情報としては年間スケジュールや教材、外部講座、合格者の体験記などを提供している。昨年からは、社内向けイントラサイト上に専用のページを作成し、教材や講座などの情報共有を開始した。

消費者志向経営フォローアップ報告書(2023年7月)より

消費者志向経営フォローアップ報告書(2023年7月)より

●資格者数
 やはりお客様対応部門(お客様相談室)の資格者が最多4名となっている。それに広告表示審査部門が3名で続き、法務部門、品質管理部門、コーポレート部門(サステナビリティ)、業務改革推進部門にも資格者が在籍している。
 2022年度に3名、2023年度には2名が有資格者となり、全体では資格取得推進に取り組む前の6名から11名に増えている。

●工夫していること
 「当社の場合、資格の取得申請はあくまでも個人の意思に委ねられています。このため、消費生活アドバイザー資格の良さと学習によって何を得られるかをどうすれば伝えられるかが一番重要で、かつ一番難しいと感じています」
と、田村さん。
 「と言うのも、アスクルには『お客様のために進化する』というDNAが創業以来引き継がれており、お客様対応能力は非常に高いレベルにあると思っています。そのため、『時間をかけて資格取得しなくても』という考えもあり、取得によって何が変わるのかがイメージしにくいようです」と、中川正彦さん(消費生活アドバイザー)。

 そうしたなか、事務局がもっとも有効と考えているのが合格者の体験記である。実際に資格取得に取り組んだ社員のほとんどは、結果にかかわらず、「やってよかった」と言っているからだ。
 合格した社員は、「少しでも参考になるのであれば」と、熱い思いのこもった合格体験記を寄せてくれている。今回の合格者からも「先輩方の合格体験記がとても参考になった」との声が上がっている。
 「こういった体験記が少しずつたまっていくことによって、『あの人がよかったと言ってるなら』と、身近に感じてもらい、挑戦者が増えることを期待しています」と田村さん。「直接、合格者に話を聞きに行く人もいますし、合格者の方たちは、『喜んでアピールします』と言ってくれています」

 試験対策の年間スケジュールの組み方も試行錯誤してきた。
 たとえば、推進の初年度は「試験1年前の開始」としていたが、それではテキストが前年のものになってしまう。3年目の現在では、2月初旬の合格発表を踏まえ、合格体験記を掲載するとともに新たな募集をかけ、3月のテキスト発刊と同時に学習を始めて約7カ月で試験を迎える、といった年間スケジュールに落ち着いている。


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