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活躍する消費生活アドバイザー

ところで、企業在職時には国家資格をたくさん取得されています。

山田 多くは裾野市にありますトヨタ自動車(株)東富士研究所勤務時に取得したものです。ある実験装置が研究所に完成し、その設備の稼動に必要な資格をもっている人がいないとのことで、私が「設備の管理と有資格者を育成する」という役割で本社から異動することになりました。ところが、2年かけて資格者を育成した後、本社へ戻る年に東富士研究所に新しく安全・衛生の管理部署ができて、今度は安全・衛生・健康を担当することになりました。
 その後、廃棄物や環境関係の業務が増えまして、労働安全衛生法・廃棄物処理法・公害環境など、関係する資格を取得していきました。設備の設置許認可申請や届け出をするために関係官庁の方々とお話をする機会が多く、話についていけるように勉強したものです。
 いろいろな官庁の方々とお話させていただいた経験は、のちのちの業務や地域活動、食品ロス削減の活動などに役立っていると思います。

 研究所の安全衛生委員会(労働安全衛生法により一定規模以上の事業所ごとに設置しなければならない会議体)に提案して、メンタルヘルス教育にも携わり、毎年の係長昇格者と係長を対象に本社からの異動者に講座とフォロー教育を実施しました。講座修了者には「リスナー的態度5ヶ条」を自席に貼ってもらいました。「これを見ると、部下指導に気をつけるようになるよ」や「部下から冷やかされるよ」などの声をもらいました。
 このリスナー的態度の考え方は消費生活アドバイザーとしての活動にも役立っていると思います。

では、消費生活アドバイザー資格について。取得されたきっかけは?

山田 社内で案内があり、消費生活アドバイザーって何をする人?と、興味をもちました。リタイアも近かったので、「この辺で、もう一度勉強するのもアリか」と思い立ちました。

 受験1年目は、第2次試験日が中国の金型工場立上げ応援のための長期出張と重なりました。中国の総経理と日本の上司の計らいで第2次試験を受けるために帰国して受験しましたが、見事に敗退しました。
 2年目は1年目に敗退したぶん、他の人よりしっかり論文と面接対策ができたと思います。おかげさまで合格できました。

消費生活アドバイザー資格が役立っていることがありましたら。

山田 いろいろなことが、自信をもって行えます。「消費生活で何か困ったことがあったら相談してね」と言いながら、活動しています。消費生活センターも身近に感じられます。
 現役時代に会社の「消費生活アドバイザーの会」の幹事を経験していて、当時の消費生活センターと連絡を取り合っていたという事情もありますが。

NACSへは退職後に入会されたのですか。

山田 はい。完全リタイアしても社会とつながっていたいと思いまして。アンテナを広げておくことは大事と思います。リタイアする2015年の春にNACS入会届けを(コソッと)送りました。すぐに支部長から「NACSに入るんだって?」と電話がありましたが…。

 入会した年は、名古屋市消費生活講座のお世話係をしました。会場や依頼元・講師の皆さんとの連絡調整、グループワークの進め方など、考えて実際に行っていく面白さがありました。
 その翌年も担当しましたが、参加された中高年の皆さんが元気にハキハキとグループワークの成果発表されるのを見ると微笑ましく、「高齢者も、若い人と同じようにやるじゃん!」と嬉しくなりました。

 最近は、消費生活アドバイザー有資格者交流会のお世話担当をしています。チームで企画・相談し、役割をシェアして実際に現場で進めていくところに面白さがあります。
 NACSの活動では、自分が担当した事業に参加された皆さんが元気に笑顔になると、こちらも嬉しくなります。
 コロナ禍も収束したことですし、リアルな行事をもっと行っていきたいと思っています。

地域やNACSなど、活動の継続を支えるパワー源は何でしょうか。

山田 「自分が何かの役に立てることがある」ということだと思います。それに、「経験?仲間?積極的な気持ち?」かな。いろいろな要素があると思います。
 自分に役割があること、仲間がいることは、大きな要素と思います。そして、実行していく中に楽しさを見つけることも大事ですね。

(取材:2023年8月8日)
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