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活躍する消費生活アドバイザー

山田 勲さん

リタイア後、地域で食品ロス削減などのボランティア活動をしています

山田 勲さん(消費生活アドバイザー26期)
食品ロス削減推進サポーター

2015年にトヨタ自動車(株)を退職。東富士研究所勤務時代は官公庁への許認可申請などに関係する国家資格を取得する。1988年に本社に異動し、金型部品調達を担当。中国金型工場立上げ時に現地調達チームの指導などに携わる。住まいのある豊田市にて地域の副区長や中学校PTA会長・青少年補導員などを経験。
「東日本大震災の災害ボランティアとして岩手県へ行った時に地域コミュニティの大切さを再認識しました」

まず、「食品ロス削減推進サポーター」としての活動について、うかがいたいと思います。

山田 食品ロス削減推進サポーターは、地域の特性をふまえた食品ロス削減の周知・啓発を行うことによって、食品ロス削減を担う人材です。消費者・食品事業者・一般企業・学校といったさまざまな主体が、食品ロスの問題を「他人事」ではなく「我が事」として捉え、行動に移すことを促進するため、消費者庁が創設した制度に基づいています。
 消費者庁や地方公共団体が開催する講座を終了し、食品ロス削減の基礎知識や取組み事例、地域の課題解決に必要なスキル・ノウハウを習得した自ら活動する意向のある人材を消費者庁などに登録し、その人材の活用が図られています。

サポーターに応募されたきっかけは?

山田 「食品ロス削減について知りたい」と思って、自分の勉強として消費者庁の「食品ロス削減推進サポーターオンライン講座」を受講したのですが、気がついたらサポーターになっていました(^▽^)。

どのような活動をされているのでしょうか。

山田 活動するにあたって、まず「どんな活動をすればいいのかな?ほかのサポーターの人はどんなことをしているのかな?この地域で食品ロス削減のポスターって貼れるのかな?もし出前講座をやるなら、もっと勉強しなければならないな」などと、アタマを巡らせました。

 次に、私の住む豊田市益富(ますとみ)地域の区長会会長さんに相談。「区長会定例会で、食品ロス削減活動の話をさせていただきたい」と、協力を求めました。この地域には14自治区(約5,000世帯)があり、その代表が集まります。
 区長会定例会にうかがい、「消費者庁のポスターを各区の掲示板に貼ること」「消費者庁のチラシを全戸回覧すること」「各区で出前講座を希望するグループがあれば連絡いただくこと」について協力をお願いしました。

 この後、いくつかの区町会から出前講座のオファーがあり、参加の皆さんに食品ロス削減の講座をさせていただきました。また、近くの小学校にも声かけをして、5年生の家庭科の秋のカリキュラムに加えていただくことになりました。現在は、豊田市内の小学生の描いたポスターを10月の食品ロス削減月間に地域内に掲示と回覧をするべく市に依頼し準備中です。
 食品ロスを出さない消費行動が当たり前になるように、継続性のある活動にしたいと思っています。

参加された皆さんの反応は?

山田 区長会では「ゴミステーションでカラスがゴミを引っ張り出していたが、その中にまだ食べられていないおにぎりやリンゴがあった。これをなんとかしなければならないね」といった発言があり、司会者から「賞味期限や消費期限をよく見て消費するように」といった意見がありました。
 別の会では「食品ロスを削減すると、農家さんが困るのではないか?」との意見もありましたので、食品ロスの現状について詳細に説明をしました。
 あるサロンでは「『買いすぎないように』と言われても、高齢者はそうはいかない。高齢者は何かのついでに買える時に買い、移動販売でもいくつかまとめ買いをするよ」などの意見が出ました。「買い物の仕方は、それぞれの個人的な事情も考えて伝えていかなければならない」と感じました。
 小学校では、「来年度は年間を通じた活動を行い、年度末に行っている父兄への研究発表会のテーマに加えることができないか検討しましょう」と言っていただきました。この提案は嬉しかったです。SDGsと関連づけた食品ロス削減活動ができるのではないかと思いました。

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