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資格活用への取組み

■事故情報の収集制度

 製品の事故情報の収集、原因究明、公表の仕組みは図のようになっている。

NITEの事故情報収集制度(クリックすると大きい画像が開きます)

 図中の重大製品事故とは、「死亡事故の他、治療に要する期間が30日以上の負傷、疾病、後遺障害事故、一酸化炭素中毒及び火災事故」である。
 調査の結果は、重大製品事故については、消費生活用製品安全法に基づき消費者庁および経済産業省が公表する。一方、非重大製品事故は学識経験者や消費者代表により構成される第三者委員会の審議・評価を経てNITEが公表する。
 なお、NITEの事故情報のデータベースでは、重大、非重大製品事故ともに検索可能である。

NITEの事故情報検索ページ
http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/search/index.php

 製品事故の収集件数は、年間3,500〜4,000件ほどで推移している。情報源は、製造事業者等、消防・警察等、消費生活センター等、さまざまであるが、製造事業者等が最も多い。
 「人のけがにつながる事故の可能性のあるものは、事故が起こっていないヒヤリハットでも受け付けています」。(穴井専門官)

製品事故情報の収集結果(クリックすると大きい画像が開きます)

 製品区分別では、家庭用電気製品と燃焼器具の事故が多く、その2つで全体の6〜7割を占める。

 事故原因は、製品に起因するものが半数近くを占めるが、消費者の誤使用・不注意による事故も1〜2割で推移している。死亡事故に限ってみれば、事故原因のトップとのことである。ガスコンロやストーブなどの燃焼機具の消し忘れや、故障と知りつつ使いつづけて事故に至るケースもあるという。

 調査は、可能な限り事故品を入手して行われる。消防から持ち込まれる事故品は、原型をとどめないほど焼損していることも多いそうである。NITEは、X線CT(コンピュータ断層撮影)による非破壊調査など、設備・技術が整っていることから消防との合同調査も少なくない。

 NITEの事故原因究明技術が、数十年前に起きた事件の解明に貢献することもある。
 その一例が、小説「氷壁」で話題になったナイロンザイル事件である。登山用ロープが消費生活用製品安全法の対象となるきっかけになった。現在のNITEの技術をもってすれば、ロープが切断された原因は、容易に特定できるのである。

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