■「ビスコに卵を使わないようにしました」
お客様の声による改善を見ていこう。
まず、グリコの主力商品の一つであるビスコ。クリームを挟んだビスケットだが、現在、卵は使われていない。
卵は、法律で表示が義務づけられている「7大アレルゲン」の一つである。お客様からの問合せが、多数寄せられていた。
「お客様センターに異動になる前、研究所でビスケットの商品開発を担当していました。当時のチームで卵を使わない配合にビスコを改良しました」。
と、上野センター長。
ビスコは子どものおやつとして安定した人気がある。おやつを選ぶ親の立場に立つと、自分の子どもはアレルギーがなくても、遊びに来ていた友達は食べることができるのか心配だろう。
より大勢の子どもたちに食べてもらうためには、卵はないほうがよいとの判断だった。
これにより、営業担当者は「ビスコでは卵を使っておりません」とアピールできるようになった。
また、お客様から「卵が入っていないからビスコを選んで食べています」といった声が届くようになったという。
さらに現在、ビスコには、7大アレルゲン使用の有無が表形式で表示されている。
「カレー職人」のレトルトパウチに「作り方」が印刷されたのも、お客様の声からだった。
外箱を捨ててしまい、作り方を質問する人が多かった。レトルトパウチを電子レンジで温めて火花が出たというお申し出もあった。そこで、それまで外箱だけに印刷していた「5分温めてください」「電子レンジ不可」といった内容をレトルトパウチにも印刷するようにした。
粉ミルクには付属品の改善がある。
「アイクレオの粉ミルクには20ccのスプーンが付いていますが、『お子様の成長とともに調乳する量が増え、量る回数が多くて大変』というお客様がいらっしゃいました。
そこで、50ccの大きなスプーンを作り、希望者に送付しています」。(毛利主任)
これは、一般には公表していないにもかかわらず、「ミルク用の大きなスプーンをください」といった電話が入るそうだ。
ママたちの情報コミュニティのなかで、口コミで伝わっているらしい。