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活躍する消費生活アドバイザー

昨年から、お客様センターのリーダーをされています。相乗効果が生まれそうですね。

滝井 グリコでは商品パッケージすべてにお客様センターの電話番号(フリーダイヤル)を記載しています。「あなたの声 大切にします」というフレーズも記載しており、それを見てお電話いただくお客様も多くおられます。

 最近、お電話の数は減る傾向にあります。ホームページをご覧いただける方は、チャットボットで商品の販売店検索が可能です。また、ホームページからメールでお問合せもいただけますので、年々お電話いただく数は減少しています。
 電話では応対時間が限られますし、メールでは時間がかかるなど、時間的自由度はどうしても下がってしまいます。お客様は「自分の空き時間に独力で問題解決ができるのが一番」とお感じになっているように思います。
 そのため、お客様が自身で問題解決ができるよう、「よくあるお問合せ」の充実やホームページでの商品情報、キャンペーン情報などの各種情報の適切な開示が重要であると感じています。
 お客様が自分自身でお知りになりたい情報を探せるよう、ホームページ等の改良を関連部門と進めていきたいと思います。さらにお客様の声を速やかに分析し、既存製品の価値向上や新製品提案につなげたいですね。

では、消費生活アドバイザー資格について。取得されたのは研究員時代なんですね。

滝井 そうです。ずっと研究一筋だったため、物の見方が偏っていると感じていました。「朝食BifiXヨーグルト」の研究をしていた頃にお客様への機能訴求を考えることになりました。その際、研究と真反対のお客様視点をもちたいと思ったんですね。その時、消費生活アドバイザーという資格があることを知り、「挑戦してみよう」と。

 学習を始めると、「消費生活に関わるナレッジがこんなに多くの分野にまたがっているのか」と分野の広さに驚きました。特に衣服のことなどはまったく初めてで戸惑いましたが、新しい知識に触れることは新鮮でした。研究では特定の分野を深く深く掘っていきますが、消費生活アドバイザーの勉強は正反対でした。

消費生活アドバイザー資格がお仕事などで役に立っていることがありますか。

滝井 物事を多面的に見る、多くの考え方があるなかでの位置づけとして自分の今の研究を見る、という視点が身につきました。つまり、自分の研究を俯瞰して見られるようになったと感じます。

 今の職場は消費生活アドバイザー資格者が多く、(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)西日本支部の行事の話題など、コミュニケーションに事欠きません。雑談するきっかけにもなっており、職場にも早く溶け込むことができました。

 NACS西日本支部では運営委員(会員活動委員会)とCS(顧客満足)研究会で活動しています。
 会社の上司に活動のある日を伝えて、スムーズに例会に参加できるように日頃から環境を整えています。

 消費生活アドバイザーとして、これまで食品企業で機能性食品の開発研究を行ってきた研究者としては、食に関することに最大の関心があります。食は私たちの生活の根幹であり、生き方にも関わってきます。食育、フードロス、将来の食糧危機、代替肉など、正しい情報の発信・受信は今後ますます重要になってくると感じています。
 そういった食に関する正しい情報を発信したり、コミュニケーションできるような人になりたいと思っています。

(取材:2022年5月30日)
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