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活躍する消費生活アドバイザー

金融広報中央委員会(「知るぽると」)の「おかねのね」の執筆もされていますね。

 はい。「おかねのね」には、立ち上げ時から執筆者の一人として携わらせていただいています。日銀本店の国の重要文化財に指定されている本館の会議室で、監修者の池上彰さんともお会いしました。小学生向けのサイトで、ニーズとウォンツ、計画性の大切さ、ルールを守ることなどについて、子ども向けと、保護者の方へのコラム、私が佐賀の子どもたちにワークショップ型の授業を実践するなかで開発したワークシートなども格納していただいています。4コマ漫画は私たちの構想を元にデザイナーが考えて下さり、親子で楽しく学べるサイトになっています。
 2017年に追加で執筆した一つに、リスク管理があり、金融経済教育も時代を反映しているなと感じます。

キケンに用心 小学1・2年生向け

ほしいもの? 必要なもの? 小学3・4年生向け

これって法律いはん? 身近な法律について考えよう 小学5・6年生向け

2019年度の金融知識普及功績者として表彰されました。

 特別支援学校での双方向授業や、消費生活センターや消費者グループから依頼された夏休み親子向けセミナーのワークショップ、消費者フォーラムで金融リテラシーのクイズショーを実施したことなど、消費者関連団体との連携活動などを評価してくださいました。ある小学校では、私がコーディネーター役を務め、外国人留学生を集めて世界の金銭教育シンポジウムをしたこともあります。
 どれも最初は講演のご依頼だったのですが、私は高いところから講演するよりも、フラットな双方向が好きなのです。ですから普通の講演依頼でもこちらから企画をご提案して、オリジナルの双方向プログラムにすることが多いのです。
 活動を始めたころから、一方的に教えるのでなく、双方向型で自ら気づかせることに重点を置いてきました。今でいうアクティブラーニングです。

環境カウンセラーとしては、どのような活動をされていますか。

 CO2削減、省エネや3R(Reduce、Reuse、Recycle)などの環境分野の普及啓発や人材育成です。もともと2000年頃から消費生活アドバイザーとして活動していて、先輩の勧めで、2008年に環境カウンセラー資格を取得しましたので、この分野では、消費生活アドバイザー・環境カウンセラーと、肩書を並べて活動しています。

 講師活動では、一般市民や自治体職員のほか、地球温暖化防止活動推進員やエネルギー企業などでお話ししています。テーマは、地球温暖化、省エネ・節電、エコライフ、エネルギー政策、3R、フードマイレージなどです。それらの効果的な伝え方やワークショップ、アクティブラーニングの手法についてお話することも多いです。

 企業でお話するときには、最新の知見はもちろんですが、お客様にわかりやすく伝えるポイントや、生活者の立場から生活課題を解決する姿勢を伝えることが多いです。工場、大学、大学病院、自衛隊の幹部候補生学校などでは、それぞれの職場に合った、行動変容につながる話を求められました。勉強も大変ですが、対象によってアプロ―チを変えないと、行動変容はできません。

 電気やガス、石油などのエネルギー企業では、以前は、「需要創出」の姿勢が顧客や社会の利益よりも優先になりがちでした。「その売り方では、消費者はファンにならないですよ。皆さんが高い技術で作られた貴重なエネルギーなのですから、『省エネしながら大切に使ってくださいね』という姿勢になって初めて、顧客との信頼関係が構築できます。顧客や社会の問題解決にフォーカスしてこそ、競争に勝ち抜く企業になります」と、環境経営・消費者志向を高めることを繰り返し訴求しました。
 経営層はわかっていても、最前線の営業マンなどからは「そんなの俺たちの仕事じゃない」と反発を受けることもかつてはありました。でも今はすっかりスタンダードとして浸透しています。SDGsやESG投資なども出てきましたし。

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