■CS推進部のエスカレーション対応
エスカレーションについてもうかがった。コールセンターで対応できなかった「ご指摘」などには、どのように対応しているのだろうか。
「おもにお客様相談室が担当しています」と、菊地さん。
「お客様相談室は、ホームページにて直通の電話番号をご案内しています。また、お客様から弊社宛に届いた手紙への対応に加え、フロント(ドコモショップ、コールセンター、メールセンター等)にて『ご指摘』に発展した内容について、随時対応しています。特に、フロントとお客様相談室をつなぐ独自のエスカレーションシステムをもっていることで、迅速なご指摘対応が可能になっています」
それだけではない。NTTドコモでは、以下のように経営幹部等へのエスカレーションを実施し垂直展開するとともに、各部門が連携し「ご指摘」を水平展開している。
- ・社内会議(月次)…幹部・サービス主管部・フロント部門等へのエスカレーションとして、課題提起や報告・情報共有を実施
- ・「ご指摘」について受付部門へ情報提供し、必要に応じて改善依頼・注意喚起を実施(随時)
- ・「今週のお客様の声」…直近のトピックス(週次)を全社員にイントラネットで情報共有
「『今週のお客様の声』は全社員に情報共有しているので、毎週3万人以上の社員が閲覧しています。ドコモショップのスタッフにも閲覧してもらえるようになっています。
こうしたことにより、自社の取組みに対するお客様の反応の共有やカスタマーファーストの意識醸成を図っています」(小林さん)
また、社員やドコモショップスタッフなどからの「気づきの声」も、集計・分析が行われ、経営幹部や各主管部へエスカレーションされ、改善につながった事例は社内・社外に情報発信されている。
「『気づきの声』を登録してくださった方には必ず回答を返すようにしています」(小林さん)
■お客様の声による改善事例
お客様の声が改善につながった事例は、コーポレートサイトの「改善事例紹介」で多数見ることができる。ここでは2例紹介したい。
●「イマドコサーチ」が@「ahamo」で利用可能になり、Aその後無料とした事例
「イマドコサーチ」は、GPS機能を使っていつでも子どもの居場所を探せて見守ることができるサービスである。
まず、@子どもの安心・安全を守るというドコモの社会的責任として優先的に行うと判断され、「ahamo」でも利用可能になった。開発段階でもお客様の声の多さなどを集計することで、開発を後押しした。
Aサービス開始時は検索料金が1回5円だったが、緊急時に何回も検索することがあるため、多くのお客様の「無料にしてほしい」の声に応えるため、検索料を無料とした。
●「d払い」アプリのホーム画面下部の「支払い」ボタンから、「d払い」のコードと「dポイントカード」のバーコードをまとめて提示可能になった事例
「d払い」での支払い時に、「d払い」のコードと「dポイントカード」のバーコード画面について「2回見せるのは面倒」「レジが混んでいるときはあせってしまう」とのお客様の声に応えたものである。