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活躍する消費生活アドバイザー

代表取締役としてのお仕事は、ほかにどのようなことが?

小川 今後のビジネスに向けた活動ですね。
 有料老人ホームであれば、いかに入居者数を増やすか。デイサービスであれば、いかに日々ご利用いただく稼働率を上げるか。そのためにはどのようにPRするとよいか。そういったことを日ごろから気にかけ、現場の方とやりとりしながら、次にどのような手を打つか考えています。

 また、安全・安心に施設でお過ごししていただくことが基本ですから、重大な事故に至らなかった「ヒヤリハット」も含め、どうすればリスクが低減できるかついても取り組んでいます。
 高齢になると転倒されることが多くなりますし、それで骨折されることもあります。転倒時にすみやかに対応するために日頃から訓練しておかなければなりません。
 もちろん、そもそも転倒しないためにはどのようにすればよいのか。そういったことを考えるのが、私の仕事と思っています。

 日々のオペレーションは、それぞれの施設の責任者がしっかりと考え、一所懸命働いてくれていますから、その先のところの「こんなことも考えたほうがええんちゃう?」「よそでトラブルの話を聞いたけど、ここの施設のデイサービスで同じようなことがない?」と投げかけてみたりする。そうしたことが重要な役割だろうと思います。

利用者の方の声は、どのように取り入れているのですか。

小川 年に1回、ご利用者さんやご家族にご協力いただいて、サービスアンケートを実施しています。
 そこにご不満や改善してほしいと書かれていることに対して、「今後取り組みます」「今このように取り組んでいるところです」と、必ず回答しています。
 この回答は、本社の部署が各施設とキャッチボールして作るのですが、そのメールが私にも同報で入るようにしています。さらに最終結果をご利用者様とご家族様にお送りする前には、必ず私が目を通し、表現などをチェックしています。

 また、それぞれの施設でサービスアンケートの評価をミーティングでフィードバックするとともに、施設の代表者が集まる会議の場で全社の結果をフィードバックしています。
 これを年1回行い、だめだったところを改善して、また次の年にそこの評価を確認するというサイクルで行っています。

 高い満足度を維持するのは、簡単ではありません。
 「今度新しく、音楽療法の先生を招いてデイサービスを充実しました」など、新しいことを行うと満足度が高まります。しかし2回目には、それは特別なことではなく当たり前のことになってしまいます。
 ここで、大阪ガス時代に身に着けたお客さま対応の基本が役に立ちます。
 「我々が提供するサービスは、こういうものです」とか、逆に「こういうことは、いくらおっしゃられてもできません」と、最初にきちんとご利用者様、ご家族様に説明するようにしています。そこを曖昧にすると後のクレームにもつながりかねませんので。

 基本的には、仕事のベースは大阪ガスと同じだと思います。
 大阪ガスも、現在は海外事業や原料のトレーディングなど、かなりダイナミックな事業分野が多くなっていますけれど、もともと地域やお客さまと向き合って仕事をしている会社です。そこでの経験はこちらに来ても十分に活かせていると思います。

アクティブライフで、お客さまと直接お話になることはありますか。

小川 お客さまには基本的には現場のスタッフが対応しますが、ごくまれに、「どうしても社長と直接話したい」という方がいらっしゃいます。
 大阪ガスのお客さま部長のときも、労働組合の本社支部長をやっていた経験も含めてですけれど、トラブルがあったら、とにかくまず出向く。直接相対するだけで、6割7割は解決します。「じかにお話をうかがいます」といってパッと動くと、人の気持ちとして「わざわざ来てくれた」と。残り3割4割は、お話しながら解決していきます。
 まず自分が動いて、じかに接するというのは非常に大事だとつくづく思います。これは、お客さま対応に限らないことでしょう。

大阪ガスのお客さま部長になられてから、すぐ消費生活アドバイザー資格をとられているようですが。

小川 2009(平成21)年にリビング事業部に異動し、お客さま部長になりました。それまで、どちらかといえば人事労務畑を歩いてまして顧客対応部門は初めて。「ここではどういうことを学ぶ必要があるんだろう」「どういう知識が重要なんだろう」と思いまして、スタッフの女性に聞いたんです。
 そうしましたら「ぜひ消費生活アドバイザーを取ってください。私たちはNACS(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)から講師を派遣してもらって受験勉強し、みんなでこの資格をとろうと頑張っています。部長もぜひ!」と熱意を込めて言われました。その女性は消費生活アドバイザーの有資格者だったんですね。
 彼女は、「大阪ガスに消費アドバイザー資格を広めたい。それには、まず社内の推奨資格にしてください」と人事部と交渉したりしていました。推奨資格にすると、通信教育の費用を会社が半分補助してくれるのです。資格取得のために講師を招き、会議室で勉強会も行ってました。
 でも私は、落ちるとかっこ悪いので、こっそり受験したんです。勉強会も知らないふりをしてました。

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