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活躍する消費生活アドバイザー

講演もよく依頼されるようですね。

宮木 基本的には消費やコミュニケーションについての講演が多いです。最近はエシカル消費や、モノの捨て方のようなことに関する依頼も多いです。

断捨離などですか。

宮木 はい。特にご高齢の方は、断捨離やミニマルな暮らし方への関心が非常に高いです。「今持っているものをどのように手放すか」といったテーマでの講演も自治体などから頼まれます。私自身も関心の強いテーマです。

 消費というのは、「選び方」だけでなく、「買わない選択」や「モノの捨て方」なども入ってくると考えています。
 私自身が使わないものを大量に持つことを好まないので、「思い出グッズ」のようなものは写真などの2次元で残し、本体は処分するほうです。
 死蔵品が家で占めている面積を地価で計算すると年間どのくらいのコストになるのか。いつかまた読むと思って持っている本は、読みたい時に古本屋で再度買ったほうがコストが低い、と考えるタイプです。

 捨てることに抵抗のあるご高齢の方も、「家の中の事故が一番多いので、モノを片付けないことによって事故が起きやすくなります。思い出と家族の健康・安全とどちらが大事ですか」とお話しますと、もちろん健康・安全のほうが大事ですから、「事故が起きてからでは遅いよね」と納得される方が多いです。「捨てる」作業は気力と体力のあるうちでないとできないので、聞きに来てくださるお元気な高齢者には早めに少しずつ取り組まれるようお勧めしています。

昨年から(一社)日本ヒーブ協議会の代表理事をされています。同協議会への参加のきっかけは?

宮木 第一生命経済研究所は長年日本ヒーブ協議会の正会員になっていまして、2011年に前任者が退職したときに、研究領域がヒーブの活動に近かった私が引き継いだのがきっかけです。

 代表理事に推薦されたときは、まさに晴天の霹靂でした。ただ、第一生命は女性活躍や消費者志向経営に長く取り組んできた会社ですので、社内の理解と後押しがあり、お引き受けすることになりました。

 代表理事になり、判断しなければならないことがとても増えました。私がヒーブをお預かりするのは1、2年という短いタームですが、組織の活動を長期的に見て良し悪しを考え、判断するようにしています。

ご家族は、代表理事就任をどのように受け止められましたか。

宮木 夫は「全面的に応援」というタイプですが、子どもたちのことを考えると迷いました。当時中学1年生だった長女に、「やりたくないと思っているなら応援はできない」と言われて、はっとしました。
 自分のキャリアアップを考えれば大きなチャンスです。ただ、出張が増えたり忙しくなったりと、家族との生活が変わってしまうかもしれない仕事を「自分がやりたいから、やらせてほしい」とは言いにくかったのですね。
 そのひと言に背中を押され、「応援してほしい」と言いました。

 ここで感じたジレンマが、今年度の日本ヒーブ協議会の活動テーマへとつながっています。

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