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活躍する消費生活アドバイザー

百貨店を退職後、Uターンされてから、消費生活相談員になられたのですね。

毛利 はい。2017年春、古里の徳島県にUターンした直後に、徳島市のホームページをたまたまチェックしていて、消費生活センターの広域連携スタートに向けた相談員募集を知ったことがきっかけでした。「年齢的に難しいかな」とも思ったのですが、応募したところ、幸いなことに採用していただきました。
 徳島では、消費者庁の「消費者行政新未来創造オフィス」開設(同年7月)を控え、地方消費者行政の強化が図られていた時期でもあり、ラッキーでした(2020年7月には、新たな恒常的拠点として、「消費者庁 新未来創造戦略本部」が発足し、モデルプロジェクトや政策研究、新たな国際業務などが実施されます)。

転職されて、戸惑ったこと、発見などはございましたか。

毛利 企業と行政では立ち位置は異なりますが、「傾聴」と「共感」という消費者対応の基本は同じだと感じています。そのため、企業でのお客様相談は、消費生活相談員の仕事にも活かすことができています。退職後に病院で患者相談にも携わったのですが、やはり企業での経験が活かせました。
 戸惑ったことは、PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)への相談情報の入力・登録業務です。同システムは(独)国民生活センターが運営しており、法執行の端緒や消費者政策の立案などにも活用されるため、統一されたルールに基づいて入力・登録する必要がありまして、習得するのに時間を要しました。
 また、企業での相談対応は自己完結型でしたが、行政の場合はそれぞれの相談内容に応じて専門的な窓口があるので、まずは相談者が話されることを的確に聴いたうえで、適切な窓口につなげることも大切であることを知りました。

ところで、消費生活アドバイザー資格を取得されたきっかけは?

毛利 百貨店で勤続20年を過ぎた頃、将来への漠然とした不安を感じたことがきっかけです。そこで、実務に関連する事柄を体系的に学び直したいと思い立ち、「消費者と企業や行政の架け橋」とのキャッチコピーに惹かれ、産業能率大学の消費生活アドバイザー通信講座を受講しました。

 受験当時は外商員で、顧客都合によって勤務時間が不規則になりがちなため、勉強時間の確保に苦労しましたが、出勤前の最低1時間は机に向かうよう努めました。この時、幅広い科目を勉強できたことに加え、論文対策で文章力を養えたのは、後々、役立ちました。
 そして、この受験がきっかけとなり、共通科目が多かった販売士や中小企業診断士の資格取得にもつなげることができました。

 また、資格取得を機にお客様相談室へ異動となり、さまざまな苦情に対応できたことは、その後の人生における貴重な財産となりました。
 百貨店では扱う商品・サービスが多様なうえ、丁寧な接客を求められるため、過度な要求を受けるケースも多く、お客様相談室は人気のない職場でした。しかし、お客様の声を販売サービスの改善に活かし、顧客満足に結びつける体制づくりはやりがいのある仕事でした。加えて、関東百貨店協会や(公社)消費者関連専門家会議(ACAP)での活動を通じた人的ネットワークの広がりもあって、私にとっては天職のように感じました。
 在任中は、顧客対応の考え方や判断基準の明確化を図るとともに、販売員をカスタマーハラスメントから守ることなどにより、現場やトップから信頼される部署になるよう努められたと思っています。

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