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資格活用への取組み

食の「安全・安心」情報をていねいにお伝えしています

日本製粉株式会社 広報部お客様センター

食品の安全・安心への関心が高まっている。「オーマイ」ブランドのスパゲッティ、冷凍食品などの製造・販売事業を展開する日本製粉株式会社のお客様センターにその対応への取組みをうかがった。同センターでは、センター長が資格取得を提案。商品企画にも資格が役立っている。

■家庭用商品の広がりに合わせ拡充

 1896(明治29)年に小麦製粉事業会社として創業した日本製粉は、現在「オーマイ」ブランドのスパゲッティ、プレミアムシリーズなどの冷凍食品、アマニ油やオリーブオイルの製造及び輸入・販売のほか、「いなにわ手綯(てない)うどん」や「信州そば」などの販売、そして化粧品や健康食品、ペットフード分野の製造・販売事業も展開している。

 同社商品には家庭用と業務用があり、お客様センターが担当するのは家庭用商品のお客様からのご相談である。業務用は、営業部門が対応している。

 お客様センターは、家庭用商品が増えつつあった1972年に本社の食品部署内に開設されたが、1988年に家庭用の販売会社を吸収したことで、一気に扱い品目が増えた。
 1994年(平成6)からは電子レンジで温めるだけで食卓に出せる冷凍食品の製造・販売を開始。こうした加工食品を含めた食品事業の売上は、現在、全体の5割超に上り、お客様センターが対応する商品アイテムも増加の一途をたどっている。

 さらには、同社が原料を提供し、販売会社となっている「信州そば」などの商品の相談窓口でもある。
 「いなにわ手綯うどん」などの大手製造会社は自社の問合せ窓口で対応しているが、小規模の製造会社の商品は同社を発売元として表示しており、こちらが窓口となっている。

 お客様センター長の鈴木源一さんは「こうした小規模な製造委託会社も10社ありますので、当社は売上に比べて扱い品目は多いほうではないかと思います。したがって、それだけの知識が必要になってきます。勉強会などを頻繁に行い、知識の習得に努めています」と語る。
 発売元となっている製造会社には、工場見学などをさせてもらい、実地での勉強も行っている。

■全国の「お客様センター長代理」が現地対応

 お客様センターでは、センター長、マネジャーを含め7名が、本社ビルの広報部の一角に机を並べている。
 ここで、全国のお客様からのフリーダイヤルを一手に引き受けているのだが、実は同社のお客様対応部門は、ここだけではない。

 全国の本支店・営業所に18人のお客様センター長代理がおり、いわば札幌から鹿児島まで、全国にお客様センターの分室があるような体制になっている。このお客様センター長代理は、本支店・営業所のマネジャーや次長が兼職し、お客様のもとにうかがうといった現地での対応業務を指揮している。

 商品の使用状況については現地でなければわからないことも多く、またお客様も、面と向かって説明を受けることで、納得されることも多い。お客様対応が格段に充実することだろう。
 お客様訪問の必要の有無は、お客様センターが判断しており、全社的な対応品質の統一も図られている。

 食品メーカーの営業先は、通常は問屋・スーパーなどの流通会社であり、一般のお客様と向き合うことはほとんどないのだが、
 「逆に、お客様の視点を知っていれば、流通会社に対しても意見が言えます。流通の都合だけで、販売してはいけませんよ、と。営業面でもプラスになるはずです」。(鈴木センター長)

 お客様センターでは、全国の支店・営業所を回って「お客様対応が最優先」であることを徹底するための説明会も、実施している。
 その際に、各地の消費者対応業務のスキルを上げるべく、訪問対応のロールプレイングなどにより研修を繰り返している。

 同社では、社員の「行動指針」に基づく危機管理マニュアルのなかにも苦情対応の項目が入っており、社員全員であたるものとの社内合意が得られている。
 重要性の理解には、昨今よく見られる、他社の不祥事のテレビ映像などが一役買っているようである。

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