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活躍する消費生活アドバイザー

では、消費生活アドバイザー資格について。取得されたきっかけは?

高松 パナソニックで品質管理の仕事に長く従事していたこともあり、品質向上の施策でお客様視点というフレーズをよく使うことがありました。また、社内に消費者志向を醸成する担当者でもありました。
 そうしたなか、お客様対応について上司や関係者から厳しく指導を受けたことがありました。その時、「自分はお客様(消費者)のことを本当に理解しているのだろうか」と自問したんですね。
 さらに当時は、2007年に重大製品事故の報告が義務づけられるのに伴い、社内体制を整備していた時期でもあり、行政機関への報告や案件管理の見える化、基準整備などに、いつもバタバタ走り回っていました。
 そんな私を心配していたのでしょう。先輩から「基礎から勉強したらどうか」と消費生活アドバイザー資格を紹介されました。「土台を造り直そう!」と決心し、受験しました。

 合格を機に(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)へ入会しました。さまざまな所属や立場の方と意見交換し、魅力的なメニューの研修に参加することによって、不足している経験やスキルの補充ができ、大変感謝しています。
 単身赴任で大阪在住になった時も、スムーズに西日本支部に転籍させていただき、日本全国どこに転居してもNACSの活動を享受できる安心感をもてました。

勉強でご苦労された点、ためになったことがありましたら。

高松 試験項目は、消費者問題や行政・法律知識、経済、経済統計、企業経営、金融、地球環境問題、生活基礎知識など幅広くありますが、私は興味をもったものはそんなに苦にならないので、どの科目も新鮮に学ぶことができました。新聞を読んだり、街で広告を見たり、スーパーや量販店で商品を見るたびに、学んだ内容を当てはめて考えるようにしました。
 消費者保護や消費経済について関心がある方には最適な資格だと思い、毎年、職場の皆さんへ消費生活アドバイザー資格の取得を勧めていました。

業務に資格が活かせたことがありましたら。

高松 重度障がい者多数雇用の会社に勤めていた時に、「私は消費生活アドバイザーの資格をもっているから、通販やエステなどで困ったことがあったら相談してください」と話したところ、特定商取引法関連で、通販の返品やエステ、スポーツジムの契約など、数件の相談を受けました。また、居住地の消費生活センターを紹介したこともありました。

NACS九州支部の運営委員をされているとうかがっています。

高松 はい。どんな組織でも人が主役であると考えていますので、支部会員のお一人おひとりに光を当てる活動が重要と思います。そのためには、活動の見える化、参加しやすい活動の立案、双方向コミュニケーションが重要と考えています。
 林 真実支部長が2020年6月に就任された時は、コロナ渦の真っただ中で、思うように活動できなかったとお聞きしています。そこで、「今こそ一丸! ONE九州」というスローガンを掲げたいと思っています。Withコロナ時代の新しい支部活動の一助になればと思っています。

 九州支部会員の総意が活動に少しでも反映できるように、粉骨砕身取り組む所存です。ベクトルが合えば、組織力や推進力は向上します。自分の尺度で判断せず、他の運営委員や会員の皆様との連携を深め、フレキシブルな考えをもって事に当たります。ご支援ご協力お願いします。

企業退職後の活動を考えている方へのメッセージを。

高松 早めに、退職後に何をやりたいかを明確に定めることが大事です。そして、そこに向かって在籍中から準備に取りかかるべきだと実感しました。退職後にゆっくり考えようと思われる方もいらっしゃいますが、実際に定年退職してみますと、残りの時間が少ないことを突きつけられた感じがしました。

 退職後の過ごし方は各自、それぞれの考えがありますので、やりたいことをやるとよいのではないでしょうか。とにかく、1日1日を充実させて過ごすことが豊かな人生につながると思います。

(取材:2022年7月6日)
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