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活躍する消費生活アドバイザー

藤脇 智恵子さん

消費者志向経営の推進や消費者支援活動などにより、消費者支援功労者表彰を受賞

藤脇 智恵子さん(消費生活アドバイザー37期)
第一生命保険株式会社 カスタマーファースト推進部 消費者志向推進室長

1999年に第一生命保険相互会社(現株式会社)入社、法人営業や確定拠出年金の投資教育セミナー講師、営業職員支援を行う部署を経て、カスタマーファースト推進部消費者志向推進室へ異動し、現在に至る。
2017〜2020年ACAP企画委員会 女性活躍推進部会執行委員、日本ヒーブ協議会理事。消費者庁第4期消費者教育推進会議委員。
趣味は旅行(国内:全国都道府県制覇済み、海外:ヨーロッパでの世界遺産巡り)、お酒(ワイン・日本酒)、ピアノ、声楽など。

カスタマーファースト推進部 消費者志向推進室長としてのお仕事について、簡単にご説明願います。

藤脇 この部署は、以前は「消費者関係推進室」でしたが、社内でより消費者志向経営を推進していくため、また、社員が主体となって消費者と真正面から向き合わなければならないという決意を表すために、2年前から「志向」という自らの意志を表す組織名「消費者志向推進室」に変わりました。
 私の仕事としては、まず、消費者関連組織・団体の有識者など、社外の方より消費者の立場からご意見をうかがい、商品・サービス等の改善に活かす取組みの運営があります。
 また、当社が開発した消費者教育・金融保険教育教材「ライフサイクルゲーム」を使用した学校や企業等での出張授業・研修の講師のほか、社内の消費者志向人財の育成に向け、「消費者志向自主宣言」の浸透・理念教育や、消費生活アドバイザーおよびCAP資格の受験推奨等を行っています。
 それから、Yahoo!知恵袋「企業公式アカウント」に登録し、消費者のお悩み・疑問解決をサポートしているほか、お客さま・消費者視点で丁寧・誠実にご案内をするための「お客さまへのお約束リーフレット」の作成など、お客さま満足の向上に向けて、消費者志向経営の推進、消費者教育、そして消費者支援などに取り組んでいます。
 Yahoo!知恵袋の質問は、たとえば「第一生命に加入しているが、インターネットで解約手続きができるか」「第一生命の○○という商品に加入していて先日○○の手術を受けたが、給付金は支払われるか」といった当社にご加入のお客さまからの質問や、年末調整に関する一般的な質問(「年末調整の書類に『旧制度』と『新制度』と記載されているが、どう違うのか」「区分を入力するときは、一般生命保険、個人年金保険のどちらにしたらよいか」)などに幅広く回答しています。

「ライフサイクルゲーム」はたいへん好評で、今年第3版が出されたようですね。

藤脇 はい。このゲームは、当社がこれまでに培ってきた「生涯設計」のノウハウを活かして作成した、すごろく形式のゲームを楽しみながら結婚・住宅購入などのライフイベント、病気・ケガ等のリスク、振り込め詐欺や架空請求といった消費者被害事例等、人生を疑似体験することができる消費者教育・金融保険教育教材です。
 学校や企業等へ無償提供し、当社社員による出張授業・研修も実施しています。
 消費者被害事例や実際に被害にあってしまった場合はどうすればよいかなど、消費者として知っておくべき知識に加え、お金の大切さや将来に備えることの重要性を学んでいただくものになっています。2004年に初版を開発し、今年4月に第3版を製作しました。

 第3版は、すごろく形式のゲームである点は改訂前と同じですが、人生100年時代、成年年齢の引下げ、新学習指導要領の導入等、社会情勢の動向も踏まえて改訂を行いました。
 主な改訂点は、裏面に65〜100歳までの「シニア版」を増設したこと、ライフスタイルの多様化に対応し、結婚、子どもの有無、住宅購入等を選択制にしたこと、新学習指導要領の導入に対応し、高校の家庭科の授業に盛り込まれる「資産形成」の内容としてゲームのマスに投資信託、株式、iDeCo(イデコ)等、金融商品の購入を追加したこと、ゲームのマスや付属品の〇×クイズ「ボーナスチャンスカード」に成年年齢の引下げや最新の消費者被害事例等を入れ、内容を刷新したことです。
 併せて、学校や企業等で実施する出張授業・研修のレジュメについても、大幅に改訂しました。改訂後3か月間ですでに2,000セット以上提供させていただきました。

出張授業は、どのような内容なのですか。

藤脇 前半にゲームを実施し、後半に「若者に多い消費者被害」や「人生のリスクと備え」等の講義を実施しています。
 特に受講者が学生の場合には、クイズを実施し受講者に解答してもらったり、興味をもっていただけるよう、なるべくやさしい言葉で身近な例を取り上げながらお話しします。受講者が飽きないよう、また一方的な講義にならないように心がけています。
 受講者からは「楽しかった」「またやりたい」「勉強になった」「将来のことを考えるきっかけとなった」など、うれしい感想をいただいています。
 純粋に社会貢献活動、地域課題解決の一環として消費者教育を推進していますので、生命保険会社ではありますが、あまり保険色を出しておらず、出張授業・研修での講義でも当社の商品の説明やPRは一切していません。

消費者志向推進室長として、やりがいやご苦労されていることは?

藤脇 当社が地域貢献活動に力を入れていることもあり、「ライフサイクルゲーム」を活用した消費者教育については社内でも取組みが浸透し、全国各地で活用され、地域でも社内でも役に立てていると実感できていることがやりがいにつながっています。

 苦労していることは、社員向け教材の作成です。当室では「消費者志向自主宣言」の浸透をはじめ、さまざまな教材を作成しているので、趣旨・目的・内容を理解してもらうためにはどうしたらいいか、どのような内容なら伝わりやすいかなど日々考えています。

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