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活躍する消費生活アドバイザー

UXライターの技術は、どこかで学ばれたのですか?

倉井 実務をしながら本を読んだりして勉強しています。最近は、書店でUX関係の本をよく見かけるようになりました。

 UXライティングの考え方は、ライターだけではなくて、一般的なビジネスパーソンが日常業務の中で文章を書くときにも役立ちます。
 今はメールやSlackなどで文章をやりとりして仕事を進めることが多いですよね。わかりにくい文章では誤解が生じたり「この人は、何を言っているのだろう」と、とまどってしまいます。
 UXライティングは、誰にとっても身に着けたい技術になってきたと思います。

UX /テクニカルライター育成講座の内容などについて、少しご説明ください。今年4月の開講でしたね。

倉井 はい。パイロット講座では、Zoomで1週間に1度の授業を8回行いました。もともとオンラインが前提だったので、コロナ禍だからオンラインにしたというわけではありません。

「HappyデジタルAcademy」ホームページより

 女性限定の講座というわけではないのですが、やはり女性の受講生が中心で、育児休業中の方やすでにライターをなさっている方、PC講師など、さまざまなバックグラウンドの方が参加してくださり、モチベーションの高さを感じました。

 本講座は基礎講座と実践講座で構成されます。
 基礎講座では、ライティングのノウハウや情報をカテゴライズしてわかりやすい文章を書く方法を学びます。
 日本の学校では起承転結をベースにした作文はよく書きますが、情報を整理してわかりやすい文章を作成する技術についてはあまり取り組まれていない気がします。講座では課題として文章制作にも挑戦していただきます。
 一方、実践講座では、実践的な文章制作のほか、インタビューの進め方や撮影の基本なども学びます。ライターが取材時に撮影も行うケースが増えているので、ライターとして知っておきたい撮影手法についてもお話しています。実践講座ではまとめとして受講生に実際に企業に取材をしてもらい、記事を執筆していただきます。

 受講に至らないまでも、テクニカルライターへの関心は非常に高いと感じています。とくに結婚、出産などで一度仕事から離れた方が「復職したい」「ステップアップしたい」と考えたときに、選択肢の1つとして考えられているのではないでしょうか。

 家庭と仕事を両立するのは大変ですが、だからといって単純な入力作業にとどまらず、長期的に自分を伸ばせる仕事を目指したいですよね。そのためにもクリエイティブ性があり、自分で知識を得て、幅広くステップアップしていくライターを育成する講座を目指しています。

倉井さんご自身は、どのようにしてテクニカルライターになられたのでしょうか。

倉井 1990年にソニーに入社し、取扱説明書を作成する部署でライターをしていました。在職中に製品やサービスの優れたマニュアルを表彰する「ジャパンマニュアルアワード(一般社団法人テクニカルコミュニケーター協会主宰)」の審査員を務めたこともあります。

 フリーランスになったきっかけは、結婚・出産等もありますが、だんだん、後身の指導や他のライターに用語ルールを伝える役割など、仕事がディレクティングやマネージングに移っていったことです。私は自分で書きたいタイプでしたので、会社を辞めて独立することにしました。

 実は、退職の少し前に消費生活アドバイザー資格を取得していました。そこで退職後に「この資格を活かして仕事ができないか」と検索し、見つけた会社から請け負ったメールマガジンやコラム、キャッチコピーの執筆が、消費生活アドバイザーとしてお金をいただいた最初なんです。

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