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活躍する消費生活アドバイザー

再度、消費生活アドバイザー試験(消費生活相談員資格試験を兼ねる)を受験されていますが。

毛利 在京時に周囲の方から、「徳島は消費者行政には熱心だけど、合格者が少ないね」と言われつづけていたので、帰郷したら再受験するつもりだったことに加え、相談員の職を得たことで知識のブラッシュアップをする必要性を痛感したからです。

最初の受験時と比べて新鮮に感じたことは?

毛利 最初の受験時は、営業担当で消費者問題への関心も薄く、勢いだけで運よく合格した感がありました。それに比べて再受験時は、「モノからコト」、「所有から利用」といった20年間の社会の変化を実感するとともに、日々の相談に対処するために必要な法律や制度などについて学び直すことができ、新鮮に感じられました。

(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)でも、長く活動していらっしゃるようですね。

毛利 NACSには最初の合格後すぐ入会し東日本支部に所属しましたが、仕事とのやりくりができず、しばらくは幽霊会員でした。活動のきっかけは、お客様相談室に配属された時に自主研究会の「消費者対応研究会」の存在を知ったことでした。即入会し、年齢や業種・業態の異なるメンバーと議論することで、学びの刺激と癒しを受けることができました。

 リタイア後は、NACS東日本支部が千葉県から受託した県民提案事業に消費生活サポーターとして3年間(2014〜16年度)参画するなかで、さまざまな方々と出会い、充実した日々を過ごすことができました。さらにその活動がきっかけとなり、市内在住のNACS会員と一緒に消費者団体(消費者安全ネットいちかわ)を2015年5月に立ち上げ、2017年2月には長野市で開催された「地方消費者フォーラム」(主催:消費者庁)で取組みの実践報告を行いました。

 この経験を活かして、2019年春、西日本支部の自主研究会「あどネットとくしま」を立ち上げました。ここではNACS会員の地域活動を活性化するとともに、消費生活アドバイザー資格取得者との仲間づくりのためのプラットフォームを目指しています。初年度は、標準化セミナーや石油に関する消費者啓発事業、消費者市民社会をテーマにした公開講座などを開催しました。

 私にとってNACSは、現役時代からリタイア後の地域デビューまで、シームレスにサポートしてくれる力強い存在です。

 また当地では、消費生活相談員養成講座(主催:徳島県)の開催効果により、直近3年間で合格者23名(累計58名の約4割)を輩出しています。この講座は、NACS西日本支部が受託して講師を派遣しており、私もその一員として登壇しました。
 資格取得は、ゴールではなくスタートだと思うので、合格された皆さんにも私たちの活動に参加いただき、「消費生活アドバイザーという共通の視点から、さまざまな地域課題を一緒に考えるとともに、消費者教育講師など活躍の場を広げていただけたら」と思っています。

企業退職後の活動を考えている方へメッセージを。

毛利 人生100年時代を迎え、「ライフシフト」や「人生三毛作」などとよくいわれます。WHOの定義によれば、健康とは「肉体的、精神的、そして社会的にも、すべてが満たされた状態」とのことです。リタイア後も自分の関心事やライフステージに合わせ、社会とのつながりをもつことが健康にとって大切だと感じます。私は、その時に役立つのが消費生活アドバイザー資格であり、この資格はいわば「人生のパスポート」だと思います。

 帰郷後は徳島県の「くらしのサポーター」のほか、サポーター同士の連携やサポーターと市町村の連携をつなぐ役割を担う「消費生活コーディネーター」の活動を継続しています。
 消費生活の専門家である消費生活アドバイザーとしての知見と、これまで培ってきた企業での経験などを活かしながら、地域社会とのつながりを自らが創り出す「創縁」を心がけ、無理のない範囲での「持続可能な活動」をお勧めします。地域は皆さんのチカラを必要としています!

徳島県消費者情報センター「くらしのサポーター募集パンフレット」より

(取材:2020年5月7日)
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