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活躍する消費生活アドバイザー

退職後のセカンドステージで、消費者被害防止の出前講座に取り組んでいます

小林啓二さん、神林美子さん

(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会(NACS)
東日本支部 自主研究会 消費者教育研究会

代表 小林啓二さん(消費生活アドバイザー28期)
   神林美子さん(消費生活アドバイザー28期)

■小林啓二さん
1998年に全国農業協同組合連合会から系列の物流会社に出向(後に転籍)、2006年に退職。2009年より消費者教育研究会に参加。

■神林美子さん
政令市33年の勤務を経て、2007年3月に退職。2008年より消費者教育研究会に参加。

本年5月、お二人が活動されているNACSの自主研究会である消費者教育研究会が、(一社)全国消費者団体連絡会(全国消団連)の「いきいき消費者行政パートナーシップ表彰」を受賞されましたね。

小林 はい。この表彰は、消費者団体と行政のさまざまな「協働」が重要であるとの考えから、その取組み事例を紹介し活動を全国に広げたいとして、全国消団連が実施しているもので、今年で3回目を迎えます。15の団体が表彰され、私たちもその一つに選ばれました。

 神奈川県の「消費者力アップ!県民提案事業」の委託で高齢者の消費者被害未然防止のための出前講座を開催していることや、「消費者フェスティバルかながわ」など、県が主催する活動への参加が評価されたのだと思います。

 消費者教育研究会は、月に1回、土曜日に定例会を開いて、活動内容を話し合っています。発足は平成16年、現在会員が40名ほどいます。

「消費者力アップ! 県民提案事業」というのは?

神林 神奈川県が県内の団体を対象に募集している、消費者被害を防ぎ、よりよい安心なくらしを実現し、消費者力をアップするための事業です。私たちは「消費者教育・啓発講座等の実施」に応募して採用され、事業を受託することができました。

 この「県民提案事業」に採用されてから、今年で3年になります。多くの人に知ってもらいたいので、24年度は神奈川県内の社会福祉協議会と地域包括支援センター、地域ケアプラザなど、合計370箇所ほどに講座の案内を送りました。

 反響は大きく、受託する前の22年度は8回の開催だったのが、一気に実施回数が増え、昨年度は神奈川県内で28回の講座を実施しました。ちなみに千葉県、茨城県での講座やその他キャンペーンなどへの参加も10回あり、首都圏全体で38回の実施・参加となりました。

 おかげさまで好評で、リピーターとなってくださっている会場も多いです。

小林 ご承知のように、行政や警察等の懸命の努力にもかかわらず、振り込め詐欺等の被害は増えています。消費者心理をうまく利用して新たな手口を開発してきているのですが、消費者のほうは「自分は大丈夫」という意識がまだまだ強いのです。私たちももっと努力が必要です。

 今後は、神奈川県以外での活動も増やしたいと考えており、この秋、東京都の板橋区、荒川区、狛江市などで予定しています。

神林 他のグループとの交流を通じて活動範囲を広げたいとも思っています。実際、去年はNACS東日本支部茨城分科会と合同で出前講座を行いました。また、NACS西日本支部の消費者教育研究会が非常に活発に活動していると聞いていますので、そういうところとも交流ができたらいいですね。

 ただ、日当などはまったく出ないので、私たちの士気が活動を支えています。

 講座のあと、アンケートが送られてくるのですが、「好評」がほとんどなんですね。毎回手応えがあるので、モチベーションが上がり、「また行こう!」と。

小林 「今日の講座はとても勉強になったから、うちの施設にもきてくれますか」と言われると、やっぱりうれしいです。「また、がんばろう!」「出前に行こう!」という気持ちになって、続けられています。

 たとえば、相模原市の施設で出前講座をしたとき、「自分が参加しているサロンでも話をしたいので資料をください」と言われました。その方は92歳。サロンのリーダーもされていらっしゃって、2年連続でお会いできました。

 むしろ、こちらが元気をもらうことも多いです。

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