TOP > 消費生活アドバイザー > 資格活用事例 > 活躍する消費生活アドバイザー > 石倉さん インタビュー記事3

活躍する消費生活アドバイザー

消費生活アドバイザー資格が仕事で役に立っていることは?

石倉 やはり、勉強し身に付けた知識自体が一番役立っています。
 私は当社のコンプライアンスの責任者も兼務していますが、その役割を果たすうえでも役に立っています。
 昨年(2016年)5月に保険業法が改正され、保険代理店はお客さま保護について「積極的な顧客対応」が求められるようになり、「お客さまの利益に反することをしない」ことは大前提となっています。これは消費生活アドバイザーの目線と全く同じです。

 コンプライアンスは一般的に法令遵守といわれていますけれど、私はそれだけではないと思っています。今は、「違法でなければよし」とする風潮がありますよね。違法でなくても、よくないことはたくさんあるのではないでしょうか。
 今後は、「世の中の要請や期待に応えていますか」「応えています」と言えるようでなければならないと思います。さらに「消費者の要請や期待に応えていますか」「今やろうとしていることは、倫理的に正しいことですか」。こういったことが、常に問われてくると思います。

 また、お客さまのおっしゃる通りに行うことが、法律や社会通念上、難しい場合もあります。そういう時には、「できません。世の中のルールはこうですよ」と、お伝えすべきと思うのです。
 その「できない」という基準を知るのに、この資格が役に立っています。(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の研修や会合にも参加させていただき、消費生活センターで相談業務に携わっている方々とお話する機会もあり、意見をうかがうこともできます。

 それから、行政や団体に問合せをする時など、「消費生活アドバイザーをしているのですが、教えてください」と言ってたずねますと、相応に回答していただけるように思います。
 ちなみに、社会保険関係の問合せでは「社会保険労務士ですが…」のほうが通りがいいですね。

今後の抱負についてお聞かせください。

石倉 もう1回大学に行きたいという夢をもっています。「神学」についての学びがしてみたいのです。
 私は、40代半ばの悩みや挫折感を抱えていた時期にクリスチャンになり、少し生き方が変わりました。きれい事と思われるかもしれませんが、「世のために、人のためになることをしなければ」という思いがあります。義務感に近いかもしれません。自分のためよりも、人から「役に立った」と言われるほうが嬉しく、その心地よさを求めて生きている気がします。

 また広島に住んでいますので、平和の問題について、ずっとかかわり続けたいと思っています。学生時代を広島で過ごし、平和公園によく行っていました。政治的にどうこうではなく、人間の尊厳にかかわる問題だと思うのです。

 平和や平安、安全と安心、健康は、人類普遍の問題、地域社会の問題、自分の問題でもあると思います。そしてこれらは、すべて保険にかかわっている問題です。保険は平和な世界でないと成り立ちません。戦争は保険の対象にはなり得ないのです。安心と安全が損害保険と通じ合い、健康は生命保険につながる。少し強引ですが、ここに私が保険の仕事に携わっている大きな意味があるように思います。

(取材:2017年11月24日)
< 終 >

▲TOP