TOP > 消費生活アドバイザー > 資格活用事例 > 活躍する消費生活アドバイザー > 小黒さん インタビュー記事2

活躍する消費生活アドバイザー

2016年度日本産業協会会長賞を受賞された事例の商品ですね。

小黒 「チョコレート効果」は、カカオ分が高いチョコレートです。発売当初は「カカオが何%含まれるのかわからない」「苦みの程度がわからない」といった声が多数寄せられました。
 その声をVOC会議で開発担当部署に伝えて、箱の側面に苦みの程度を明記するとともに、個包装にもカカオ含有量を明記するようにしました。またポリフェノール量の表示や箱の開け口についてもわかりやすいよう改良しました。

 VOCはVoice of Customer、お客様の声を聴き商品に反映させるために、開発や品質保証、販売、研究所など、いろいろな部門の担当者が一堂に会する会議で、定期的に開かれています。

もう一つの事例、プロビオヨーグルトLG21ドリンクタイプのキャップ改良についてもご紹介願います。

小黒 これは、ご高齢の方からの「ボトルキャップが小さくて開けにくい」という声に応えたものです。件数はそれほど多くなかったのですが、お声をいただくことがありました。
 VOC会議で比較的早く取り上げていただいたものの、実際の商品に反映されるまでには1年以上かかりました。キャップの担当部署が作った試作サンプルの評価を繰り返し、キャップの凹凸の間隔を広くし、手に力が入りやすく簡単に開けられるよう改良しました。

 受賞させていただき、社内でも喜んでもらえて、明治グループのグループ報に取り上げてもらいました。お客様相談センターの同僚からは、「誇りに思います」と言ってもらえましたし、家族にも「頑張ってよかったね」と、やはり喜んでもらい、みんなに喜んでもらえたことがとても嬉しかったです。

お客様の声が改善へとつながる仕組みは、どのようになっているのでしょうか。

小黒 お客様相談センターに寄せられた声は商品名や相談内容ごとに細かく分類され、データベース化されます。
 そのなかから、改善が必要と思われる事柄を抽出し、VOC会議に提出して取り上げてもらいます。会議の前にお客様相談センター内で打合せをして、「今回はこれにしぼって提案しよう」という感じです。
 お客様からの声が起点ですので、その状況によって頻繁に行う商品分野もあれば、年に数回のものもあります。件数が少なくても、重要度が高い場合は提案します。
 VOC会議には、私も含め、お客様と直接応対するテレフォンコミュニケーターも出席します。商品部門別に担当が決まっているわけではなく、今回の会議は誰と誰、といった感じで出席します。

 VOC会議に出しても、すぐに動かない事案もあります。そういうケースでは、重要度を考慮して、再度同じ提案をすることがありますね。
 改良の結果、お問合せがどう変化したかについては、お客様の声のデータベースによって数字で見ることができます。

入社当時と、大きく変わってきたと感じていることは?

小黒 私が明治乳業に入社した当時は、4人ぐらいで電話対応をしている状況でしたので、現在と比べて、電話をいただくお客様の数がまったく違います。

 質問内容にしても、乳製品の集団食中毒事件や中国産冷凍餃子による薬物中毒事件などが発生し、企業姿勢や商品の安全性に対してより厳しくなっていると感じます。

▲TOP