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活躍する消費生活アドバイザー

生活者目線の企画は、やはり消費生活アドバイザーだからでしょうか。

水谷 私は、生活者目線は、お住まいの地域や世代、年収などによって異なると考えています。それらが違うと、価値観が違ってくるからです。富裕層のお客様とそうでないお客様では、立場は同じ主婦でも、やはり主婦目線の立ち位置が違ってきます。
 いろいろな生活者のニーズや問題を理解し、解決策などを企画へ反映することは、消費生活アドバイザーだからなのかな、とも思います。

 たとえば、「イベントにお客様が集まらない。どうしたらよいでしょうか」という、ご相談を受けることがあります。「主催者の集客ターゲットとお客様の目線のズレがあるのかも」と考え、この地域でどのようなターゲット層のお客様に来ていただきたかったのをうかがい、「それでしたら、この企画のほうがよいかもしれません」という提案をします。

 また、ある企業から、高年収の客層を対象としたフードセミナーを依頼されたことがあります。そこで、流行の「チーズセミナー」を開催するに当たり、チーズプロフェッショナルによる「大人のフロマージュセミナー」のタイトルを提案しました。単に「チーズ」では、グレードの高さが伝わらないと考えたからです。

 それから、IHクッキングヒーターとガスコンロを備えたモデルハウスでクッキングセミナーも開催しました。家を建てられるときに、お客様はIHにしようか、ガスにしようかと迷われるんですね。私はIHとガス両方を使って同時進行で料理をつくり、お客様にも両方体感していただきました。

レシピもご自分で?

水谷 もちろん。自宅や現場会場で何回もリハーサルして、セミナーに臨みました。自分が生活者、主婦としてやっていることをそこで見ていただいたわけです。
 料理好きで、みよし市(旧三好町)在住時、みよし悠学カレッジ食文化の会を主婦仲間と発足。町の郷土料理本「伝えたい三好の味」編集に皆で参画し、伝承料理のレシピ化もしました。

 初めて2世帯住宅についてのセミナーを依頼されたときも、「ソフト面のお話でよければ」と、お引き受けしました。その講座が意外と好評でした。
 このケースでは、2世帯で住宅を建てる多くの方は、ソフト面で悩んでいると想定しました。住宅会社には建築士はたくさんいらっしゃるので住みやすい間取りはお任せして、ソフトの重要性のみを解説したのがよかったのかもしれません。

 引っ越し、掃除、収納、キッチン計画、省エネ、防犯等、さまざまなジャンルの暮らしの講座を依頼されます。
 これには、私自身が9回引っ越しをしている経験が活きます。マンションから戸建てに移る、戸建てからマンションに移る。それを実際に体験していますので、お客様の気持ちに寄り添う目線の立ち位置でお話ししています。

 一昨年は、半年間、高級住宅街のプレミアムなマンションで、入居まもない居住者の皆様に対して、専有部分であるお部屋内での暮らしのサポートの仕事をさせていただきました。依頼があれば、お宅へ訪問して設備機器の取扱いを説明したり、手直しの確認や受付をし、業者とのパイプ役にもなりました。アフターサービスのコンシェルジュのような役割です。電話相談なども受け付けました。住まう側のお気持ちに寄り添う暮らしのサポートを心がけ、ここでも消費生活アドバイザ−の相談業務テクニックが活きました。
 施工業者と打ち合わせることもあり、簡単な建築知識やインテリアコーディネーターの知識も必要です。これは、「マダム・ブリエ」(仏語で「輝く既婚女性」)のメンバーにも協力依頼。2級建築士やインテリアコーディネーターの資格をもち、経験豊かな40代後半世代のメンバーにお願いしました。

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