資格取得のための勉強はどのように?
林 通信教育を受講しはじめたのですが、2か月ほど勉強するうち、独学で試験に対応するのは難しいとわかりました。
そこで、翌年から産業能率大学の通学コースを受講することにしました。
大阪での土曜日の講座でしたので、岡山から毎回、朝いちの新幹線で、第2次試験の対策講座を含めると、合計で20回ぐらいは通いました。
毎回の講座通いは、同じ目的をもつ仲間が次々できましたので、苦痛ではなかったですね。
モチベーションも上がっていき、「みんな、がんばっているんだな」という雰囲気のなかで、逆に楽しくなりました。自分の勉強の進み具合と、仲間の進み具合も比較できます。
他の資格取得の勉強でも同じかと思いますが、いかにモチベーションを上げていけるかで、持続できるかどうか、決まるような気がします。
合格がわかったときは、たいへんうれしかったですね。
とくに、衣と食の分野はまったく初めてのことばかりで、どうなるかと不安でしたが、なんとかクリアできました。
男性は、衣食分野でご苦労される方が多いようです。
林 私は、スーパーやコンビニに行った際に、表示をよく見るようにしました。
スーパーなどで、スーツ姿の男性があんまり商品を見比べたりしていると、どこかのお役人が調査に来ているのかと間違えられるケースもありますので、ほどほどにしていましたが。
たとえば同じドリンクを買っても、ボトルの表示を見比べていくと、消費生活アドバイザーの通信講座テキストに書いてあったことが少しずつ身につくような気がします。
衣服についてはまったくわかりませんので、家で衣類に付いている表示を見て、「この生地の繊維は……」と見るようになりました。
現在の仕事で消費生活アドバイザー資格が活きることは?
林 現在勤務しているソフトウェア関連の会社では、お客様から苦情や相談が寄せられた場合に、私が出てご説明にあたることが何回かありましたね。
(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)に参加し、岡山研究会で活動できるようになったのも成果だと思います。
研究会では、昨年は旅行代理店の方に旅行についての講演をお願いし、今年は食品表示や添加物について講師をお招きして講演会を行いました。
だんだんと、「あれもやってみよう」「これもやってみよう」とテーマが広がりますし、仲間にはいろいろな職業の方がいて、よい刺激になります。勉強することがいっぱいあります。
今後の抱負をお聞かせください。
林 まもなく現在の勤務先でも定年退職を迎えますので、その後は消費生活アドバイザーとしての知見を活かして、相談員として働いてみたいと思い、就職活動を始めたところです。
消費生活アドバイザーは、企業や行政などとお客さまをつなぐ架け橋です。
行政の中にあっては、相談者が自ら問題解決できるように、対処方法をアドバイスして自主交渉を支援します。時として、自主交渉力の乏しい相談者には、事業者との間に入り妥当な解決に向けて交渉をあっせんします。
そうした架け橋として、今後ますます重要となってくる仕事であり、もっと多くの仲間が増えてほしいと思っています。
とくに地方都市には消費生活アドバイザーはまだまだ少ないので、もっと仲間が増えるようお手伝いしていきたいですね。
(取材:2014年12月18日)
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