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活躍する消費生活アドバイザー

林 克己さん

地方銀行勤務時に資格取得。苦情対応マニュアルを作成しました

林 克己さん(消費生活アドバイザー32期)
ソフトウェア開発会社 総務・監査担当

1976年、地元銀行に入行。営業店勤務をへて、本店お客さま相談室に異動。「お客様の声―相談・要望―」を、全店に収集することを呼び掛け、自行の弱点を経営に活かす道を模索。「苦情対応規程」、同「マニュアル」を改訂、新設する。
2007年12月、同行を退職し、現在の企業に入社。苦情対応の活かし方と、社内情報の共有化を推進。岡山県在住。

銀行に勤務されていた当時、お客様相談室に配属されていたとうかがっています。

 はい。3人態勢で対応にあたっていまして、直接お客様とお話する場合は、ほとんど私が担当していました。
 いかにお怒りをおさめていただくか、いかにご納得いただくか、といった対応に終始しながらも、お客様のお話をトコトンうかがっていますと、組織として改善すべきところが大いにあると感じました。

 また、勤務していた銀行では、2006年頃から、トップ自ら積極的に改善を進め、そのための組織改革にも着手していました。

 「お客様と接する最前線の部署」であるお客様相談室へのご相談内容について、組織的に検討しようということで、頭取直轄の「お客様の声対応委員会」を立ち上げ、直近の苦情・相談・要望を分析し、対応を検討しました。「しない」「できない」は禁句にしました。

 苦情対応の規程やマニュアルも、情報をいろいろ取り寄せ、作成しました。苦情対応マネジメントのISO10002を銀行業務に適用し、PDCAサイクルに載せ、問題解決の精度を上げていきました。

 そういったものは、私が担当になって初めて作られました。
 社内の抵抗はありましたけれども、お客様からの苦情や要望を、自行の弱点として捉え、情報を全店共有することや、経営陣に改善時期を明確に決定してもらうことを心掛けました。

消費生活アドバイザー資格取得のきっかけは?

 消費生活アドバイザー資格は、苦情対応の規程を作成するために、CS(Customer Satisfaction)に関する本を片っ端から読んでいたころ、佐藤知恭著『体系:消費者対応企業戦略―消費者問題のマーケティング』に出会い、そこで知りました。

 お客様には、いろいろな考え方や意見をおもちの方がいらっしゃいます。
 お一人おひとりのご相談への対応だけでなく、法律面や生活面から見ればどうなんだろうと考えはじめたら、そういった知識を、自分で身に着ける必要性を強く感じました。
 消費生活アドバイザーは、法律に加えて衣食住とか生活すべてにおいて勉強しますので、有効ではないかと。

 当時、消費者問題の長い歴史において、消費者庁・消費者委員会が設置され、自分なりに消費者視点に立った仕事に少しでもかかわることができる道はないかと思うようになりました。志の転換点でしたね。

 全国の銀行で、消費生活アドバイザーを取得している行員は非常に少ないと思います。
 とくに地方では、経営陣・人事部も、消費生活アドバイザーの名称さえ知りません。生・損保業界とは、まったく違います。
 なおさらチャレンジしがいがあるなと思ったのが、きっかけですね。

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