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活躍する消費生活アドバイザー

B5判32ページ、オールカラーですね。印刷費も結構かかったのでは?

『太陽光発電の知恵袋』内容

図版がたくさん入っていて、わかりやすい

青木 幸い、「2012年度ドコモ市民活動団体への助成事業(環境分野)」の助成金を得て、印刷することができました。

 発足した2009年から活動を始め、太陽光発電について専門家を呼んだシンポジウムや勉強会を開いたり、関係の講演会などに参加して情報や知識を蓄積していくうちに、導入に必要な情報をパッケージで届ける必要性を感じました。
 これを多くの人に届けることができれば、太陽光発電に関する消費者トラブルの低減に役立つことができるのでは、と思いました。

 しかし、それにはお金が必要です。みんなで助成金の情報を捜すなか、やっと私たちの活動と合致する助成金を見つけ、2012年に応募し、2013年1月から助成金を使った活動が始まりました。

根岸 どこからも費用が出ないようだったら、メンバーで負担することも考えていましたね。

青木 それくらい、これまでの活動で得たものを形にしたい、という思いがメンバー全員に満ちていました。

根岸 消費生活アドバイザーとして世の中で役立つことが大事なので、身内の発表会だけで終わったのでは意味がありません。NACS<(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会>会員だけでなく、消費生活センターなど行政での活用や、出前講座で一般の方に届けることを想定して5,000部作成しました。

冊子の配布先は、どのようなところでしょうか。

根岸 大きなところでは、私の出身校の千葉県立千葉中学校で「環境問題と太陽光発電」というテーマで話した際に、240名の生徒に配布しました。「社会人から話を聞く」という総合学習の講義として行ったものです。やさしい言葉で書かれていて、わかりやすい本だと好評でした。

 それから、「世田谷ヤネルギー」という、太陽光発電の補助制度を実施している世田谷区の資料として、また太陽光発電の売電収益で巡回バスを運営している福島市蓬莱団地の説明会資料としても、お送りしています。

 蓬莱団地の事業は、経済産業省の「住宅用太陽光発電高度普及促進復興対策事業」の一つに指定されています。県の担当者の方からは「基礎から書いてあるので助かります。『住宅用太陽光発電の導入メリットと留意点』について、これを使いながら話をしたいと思います」とのことでした。

原稿作成は、どのように?

根岸 太陽光発電システムを設置しようとするときに、最初に考えることは何か、どういうことを聞くか、という観点でQ&Aのようなものをまず作りました。
 これが二十数項目できたので、つぎに、それらをどう細目に落とし込み整理していくかを考え、構成の骨格ができていきました。

 きちんとした一本道を走ったわけではなく、ずいぶん横道に入ったりして、たどり着いた内容です。

 原稿は、章ごとに分担を決めて作成しました。
 メンバーとのやりとりは、ほとんどメールです。集まるのは最初は月1回の予定でしたが……。

青木 それでは足りないということで、ここ半年間は、月2回は集まるようになりました。
 プロジェクタとパソコンを使って、全体の構成や文言一つひとつをチェックしていきました。それこそ侃々諤々(かんかんがくがく)、会議室の利用時間を延長することも間々ありました。

根岸 担当部分を書き上げてメールすると、「この要素が抜けている」といったレスポンスが入って、修正するといった具合です。
 メールのやりとりは1年弱の間に1,300通くらいになりました。

専門家の方にチェックを依頼したことは?

根岸 冊子作成に関しては、ありません。

 専門家に見てもらうかどうかの議論はありました。
 しかし、「私たちが消費者の目線で自分たちが導入するとしたら?」という前提で太陽光発電システムを捉えていったので、基本的には、これまで専門家の話を聞いたなかで私たちが大事だと思うことをピックアップすればよいのではないか、となりました。

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